この記事で分かること

このサイトの副業記事は「AIに下書きを書かせて、自分が検品して納める」型が中心でした。この記事は、その検品そのものが時給になる仕事が実在することを、案件の一覧と案件文で確かめたものです。AI企業が、AIを良くするための評価・注釈・書き起こしを、人に時間制で頼んでいます。

先に断っておきます。この記事は運営者が応募した記録でも、働いた記録でもありません。Mercor の案件一覧はログインしなくても読めるので、2026年9月16日・9月18日朝・9月18日夕方の3回、同じ検索語「Japanese」で開いて、表示を写しました。単価はその日の1案件の表示であって、相場ではありません。紹介リンクは張っていません。

「AIの回答や資料を評価する」仕事は、時間制の契約として一覧に載っている。日本語の案件が4件あり、うち1件は$33.58/時で、2日のあいだに「今月の採用」が118から217に増えた。同じ2日で、$18/task の案件と弁護士の案件は検索結果から消えました。

Mercorの案件一覧で検索語「Japanese」を2026年9月16日・9月18日朝・9月18日夕方の3回開き、日本語を名指しした案件の単価表示と今月の採用数を並べた表。PDF Annotation & Transcription – Japaneseは$33.58/hourで採用数が118→217→217、Japanese Professional Voice Actorは$40-$200/hourで32→109→109、Bilingual Japanese Generalist — AI Safetyは$48-$52/hourで5→8→8、Bilingual Japanese STEM Expert (PhD)は$68-$72/hourで9→9→9。Bilingual Writer – Japanese (Japan)は$18/taskで179だったが9月18日には検索結果から消え、In-House Counsel/Lawyer (Japan)は$140-$150/hourで表示があったが同じく消えた。単価はその日の1案件の表示で相場ではないと注記。下の枠には、案件は消えることも採用が続いていることもこの3回の観測で言えるが3日目以降は観測していないこと、案件文に短縮・早期終了ありと書いてあること、検索は部分一致で他言語の同種案件も混ざることが書かれている。
3回の観測。消えた2件と、採用が増え続けた1件が同じ一覧にあります。

3回開いて分かったこと

案件名(表示のまま) 単価表示 9/16 9/18 朝 9/18 夕
PDF Annotation & Transcription Experts – Japanese $33.58 / hour 118 hired this month 217 217
Japanese Professional Voice Actor $40 - $200 / hour 32 109 109
Bilingual Japanese Generalist Expert — AI Safety $48 - $52 / hour 5 8 8
Bilingual Japanese STEM Expert (PhD) — AI Safety $68 - $72 / hour 9 9 9
Bilingual Writer - Japanese (Japan) $18 / task 179 消えた 消えた
In-House Counsel/Lawyer (Japan) $140 - $150 / hour 表示あり 消えた 消えた

「hired this month」は一覧に出る「今月の採用」の表示です。案件文には「Projects can be extended, shortened, or concluded early depending on needs and performance.」(案件は延長も短縮も早期終了もある)と書いてあります。今日ある案件が来月あるとは限らず、この記事の単価を「相場」として持ち歩かないでください。

観測は2日間の3回で、3日目以降は見ていません。検索は部分一致なので、同じ一覧に他言語の同種案件($12.68 / hour のインド系言語の案件など)も混ざります。日本語を名指しした案件だけを上の表に載せました。

仕事の中身——案件文が書いていること

$33.58/時の案件「PDF Annotation & Transcription Experts – Japanese」の本文は、ログインなしで最後まで読めます(2026-09-18確認)。要点を原文のまま引きます。訳はこちらで付けたものです。

  • 「Each task takes a real, publicly available PDF page and produces a complete structural map of that page, paired with a faithful transcription of every text region in the original script.」——公開されているPDFの1ページを取り、そのページの構造の地図を作り、すべての文字領域を原文の文字で忠実に書き起こす
  • 「Delivered work is human-authored throughout. Component identification, component typing, reading order and all transcription are performed by people, not generated by parsing models.」——納品物は全部人が作る。領域の特定も、種類分けも、読み順も、書き起こしも、人が行い、解析モデルには生成させない
  • 「Review a colleague's work: every task is reviewed end to end by a second Japanese expert」——すべてのタスクは、もう1人の日本語の専門家が最後まで確認する
  • 「You are exact: character-level accuracy matters more here than speed, and a single wrong character is a defect」——速さより1文字の正確さ。1文字の誤りが欠陥になる
  • 「Quality leads on this project: accuracy is the first measure, with handling time tracked alongside it」——品質が先。正確さが第一の物差しで、処理時間も一緒に記録される

つまりこの仕事は「AIに答えさせて評価欄に貼る」仕事の正反対です。人が作ることが契約の条件で、AIに生成させた納品は契約違反の側に落ちます。このサイトが副業記事で繰り返してきた線——AIに書かせてそのまま納品しない——と同じ線が、案件文の側にも引かれています。

求める経歴は「professional experience in interpretation, journalism, transcription, translation, editorial work, or comparable document-intensive work」(通訳・報道・書き起こし・翻訳・編集など、文書を扱う仕事の職歴)です。誰でも受かる仕事ではありません。

6つの質問で埋める

副業のお金は3つの流れで届くで使った6つの質問を、案件文と支払いページ(Payments・2026-09-18確認)に当てます。

AIの回答や資料を評価する仕事(Mercorの案件)を6つの質問で埋めた図。①原資はAI企業で買い手も広告主もいない。②門は応募3段(Resume・Bilingual Competency・Work Authorization)で所在地にJapanが入っている。③金額の決まり方は時間制で$33.58 per hour、時間は監視ソフト(Insightful)とSpendページで数え、USD建て。④入金は毎週水曜12:00 PM PSTごろに前週(土〜金IST)ぶんがStripeかWiseで届き、提供元は地域で自動決定され選べない。⑤引かれるものは通常の振込は無料で即時振込は1.0%、為替はStripe/Wiseが支払い時に換算し、初回は7日保留。⑥必要なものは本人名義の銀行口座・SMSの2段階認証・Stripeの本人確認と税務情報で、契約は独立した個人事業(contractor)。2026年9月18日確認。下の赤い枠には、こちらが払う場面はゼロで登録無料・支払いは向こうから週次であり、稼ぐはずが振り込みを求められたら別物であること、国民生活センターの2026年5月19日公表の注意喚起の一文、案件文が「performed by people, not generated by parsing models」と書いておりAIに答えさせて貼る仕事ではないことが書かれている。
③発注者からの型で、発注者がAI企業。門は数字ではなく応募の3段です。
質問 案件文・支払いページの答え
原資 AI企業。「Mercor partners with leading AI labs and enterprises to train frontier models using human expertise.」
応募の3段「Resume」「Bilingual Competency(CORE)」「Work Authorization」。所在地の条件に「Japan」が入っている。「All application steps are reused whenever another role requires the same step, so you never have to upload your resume or take the same interview twice」(面接がある)
金額の決まり方 時間制「$33.58 per hour」。時間は「Use the total from your Mercor Spend page — Insightful's "this week" may differ」=監視ソフト(Insightful)で計測した時間が元になる
入金の経路と時期 「Mercor pays hourly contractors every Wednesday around 12:00 PM PST. Each payout covers the previous work week (Saturday 12:00 AM → Friday 11:59 PM IST)」。提供元は「Mercor automatically assigns your payment provider based on your region - you do not choose it.」(Stripe か Wise)
引かれるもの 「All Mercor contracts are denominated in USD. Your payment provider (Stripe or Wise) converts USD to your local currency at the time of payout.」通常の振込は「Free」、即時振込は「1.0% fee」。初回は「Stripe requires a 7-day holding period on your first payout.」
必要なもの 本人名義の銀行口座(「Your bank account must be in your own legal name.」)・SMSの2段階認証・Stripeの本人確認と税務情報(「identity verification, bank account details, and tax information are all required」)。契約は「You will be engaged as an independent contractor.」

必要なものを全部並べると、USD建て・監視ソフト・本人確認と税務情報・面接の4つが、日本のクラウドソーシングには無い項目です。始める前に揃うかどうかを、この4つで先に確かめられます。

対照——「こちらが払う」場面はゼロ

上の6つの答えに、こちらがお金を払う場面が1つもありません。登録は無料で、支払いは向こうから週1回です。

国民生活センターは2026年5月19日に「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」を公表しています(原文・2026-09-18確認)。

「最初に少額の報酬が得られても、その後に、高額報酬のタスクをするため、タスクを失敗した連帯責任、などと称して振り込みを要求されるケースが目立ちます。」「お金を稼ぐはずが振り込みを求められても、言われたとおりに振り込まず、消費生活センター等に相談してください。」

「AIの評価の仕事」を名乗る話で、登録料・研修費・保証金・失敗の連帯責任などの振り込みを求められた時点で、この記事が確かめた仕事とは別物です。相談事例では「3日間指示されたとおり作業をしたら、報酬として約2,500円が振り込まれた」あとに約50万円を払わされています。うまい話を確かめる手順は別の記事にまとめてあります。

推定——$33.58 × 週の時間

金額は「出典のある単価 × こちらが置いた前提」でしか出しません。単価は2026-09-18の1案件の表示、週の時間だけが本人の頑張り次第の前提です。ここでは JILPT の副業者の中央値(週10時間)を置きます。週20時間・40時間の前提は次の記事で扱います。

金額の目安(推定・$33.58/時・週10時間・USD建て): 週に US$335.80、月に直すと US$1,455(×52÷12)。年に直すと US$17,462。1ドル150円と置けば、月に約218,000円(換算はこちらが置いた前提。実際は Stripe/Wise が支払い時の相場で換算する)。 根拠: 「$33.58 per hour」「Hourly contract」「Payments are weekly on Stripe or Wise based on services rendered.」(出典: Mercor の案件一覧・案件「PDF Annotation & Transcription Experts – Japanese」・2026-09-18確認)× 週10時間(JILPT 調査シリーズNo.245「副業者の就労に関する調査」図表2-4-14 の副業者の中央値。出典: 本文PDF・2022年10月実施のインターネット調査・2026-09-18確認)。 週10時間はこちらが置いた前提で、その時間ぶんの仕事が割り当てられる根拠はありません。案件文には「Projects can be extended, shortened, or concluded early」とあり、続く保証はありません。時間制の1.0%の即時振込手数料と為替の差は含めていません。この金額は目安であり、収益を保証するものではありません。

この推定で動くのは「週何時間」だけです。単価は自分では上げられず、案件が続くかも自分では決められません。

隣の記事との違い

AI原稿の直しをココナラで受けると似て見えますが、3つ違います。

AI原稿の直し(ココナラ) AIの評価(Mercor)
誰の頼みか クライアントの原稿 AI企業が、AIを良くするための評価
通貨・支払い 円・取引完了時 USD・週1回
応募の形 提案文 履歴書+面接+就労資格の3段

応募文を書くなら、盛らない提案文の作り方がそのまま使えます。「AIで速くできます」と書かないこと——この案件は、AIに生成させないことが契約の条件だからです。

出典一覧

すべて2026-09-18に開いて確認しました(案件一覧は2026-09-16にも確認)。