これで何ができるか
副業の募集ページに出ている金額は、たいてい発注する側が払う額です。そこから手数料と消費税が引かれて、口座に入るのは別の数字になります。
この記事は、その引き算をAIにやらせるときの頼み方です。ただし本題は計算ではありません。
架空の契約を2種類(契約1万円=公式の計算例と同じ額と、契約12万円=手数料の段をまたぐ額)用意し、5通りの頼み方で 20回 通しました。さらに、確かめたいことを2つだけ単独で 各3回 聞いています(全26回)。
結果を先に書きます。計算そのものは、ほとんど問題になりませんでした。公式の計算例と同じ額では、計算させた8回とも 8,580円 で一致します。
割れたのは、段をまたぐほうです。まったく同じ指示文の2回が、106,480円 と 107,800円 を返しました。差は 1,320円 です。しかも料率の表と公式の計算例を全文貼ったあとでも割れます。
理由は単純です。料率の段を分ける「10万円」が、税込の金額なのか税抜の金額なのかが、ページに書かれていません。2026-08-21 にページを開いて確かめました。表の見出しは「報酬額」とだけあり、公式の計算例は契約1万円の1通りしかなく、その額は段をまたがないので、例からも読み取れません。
⚠️ この記事は税務の記事ではありません。消費税の扱いは、プラットフォームが公表している計算例を写す範囲にとどめます。確定申告・課税事業者・インボイスの判断はしません(書き手は税理士ではありません)。そこは税務署か税理士に確かめてください。
この金額ブロックの中でも、税抜と読むか税込と読むかで 1,560円 動いています。この記事の主題そのものです。
前提
プログラミングは要りません。やることは、料率のページを開いてコピーし、AIに貼ることだけです。
- AIとの会話(無料の範囲で足ります)
- 使っているプラットフォームの手数料ページ
- 架空でよいので、契約金額を1つ
⚠️ 実在の案件・実在の取引先を材料にしないでください。金額と相手先が入ります。確かめたいのは計算の形なので、架空の契約額で足ります。
📌 この記事の実測は1社のページで通しています。核は「材料の外にある率を、AIに思い出させない」ことなので、同じ形になるはずですが、他社では試していません。⚠️ 他社の率は、開いて確かめない限り書きません。
AIへの頼み方
1. まず、率を貼らずに聞いてみる(率は合う。出典が出てこない)
材料2種×各2回=4回。4回とも 20% と書き、4回とも率そのものは正しいでした。段をまたぐ12万円で聞いた2回は、2回とも段に分けています(一律20%で済ませた回は、12万円で計算させた8回すべてで0回)。
🔑 ここは書く前の見立てが外れたところです。「材料の外にある数字は、禁止しても推測で埋まる」と身構えていましたが、率は埋まらないどころか、回ごとにぶれもしませんでした。
🚨 代わりに落ちたのは出典です。4回とも、率のURLは1つも書きませんでした。契約1万円で聞いた2回は「クラウドワークスの『ワーカーシステム利用料』のページで今の率を確認してください」と添えましたが、契約12万円で聞いた2回はページ名も注意書きも付いていません。
⚠️ 料率は変わります。出どころの書いていない数字は、うまい話は、AIに「詐欺?」と聞かずに「確かめる手順」に変えるで読者に警告している「盛られた数字」と、画面の上では見た目が同じです。
2. 料率のページを貼る(それでも割れる)
同じメッセージの中に、まずこれを貼ります。
報酬額 / システム利用料
20万円超の部分 5%
10万円超20万円以下の部分 10%
10万円以下の部分 20%
タスク形式での場合 20%
ワーカー受け取り金額 =(契約金額+消費税)-(システム利用料+消費税)
計算例:契約金額 10,000円(税抜)のお仕事の場合
10,000円 × 10%(消費税率)= 11,000円(契約金額(税込))
11,000円 × 20%(システム利用料率(税抜))= 2,200円(システム利用料(税抜))
2,200円(システム利用料(税抜))× 10%(消費税率)= 220円(消費税)
ワーカーが受け取る額 8,580円
11,000円 - 2,420円(システム利用料(税込))= 8,580円
振込手数料:楽天銀行 税込100円・他行 税込500円
仕事がスタートする前にキャンセルが行われた場合、システム利用料は発生しません。
時間単価制の場合、1週を1つの単位としてシステム利用料の計算を行います。
料率の基準となる金額の計算は1週毎に行われ、翌週への繰り越しなどは行いません。
そのすぐ下に、こう書きます。
契約1万円のほうは、2回とも 8,580円。貼った計算例と同じ額なので、そのまま写して終わります。
段をまたぐ12万円のほうでは、答えが1つに決まりませんでした。同じ指示文の2回が、106,480円 と 107,800円 を返しました。
- 106,480円=税込の 132,000円 を段に分ける(10万円までに20%、残り32,000円に10%)
- 107,800円=税抜の 120,000円 を段に分ける(10万円までに20%、残り20,000円に10%)
🚨 片方は、割れていること自体を書きませんでした。2回のうち1回は「段階の基準になる『10万円』が税込か税抜かが書かれていません」と自分から並べて両方の数字を出しましたが、もう1回は 107,800円 だけを出して終わりです。
3. 決められないことの置き場所を作る(2回とも両方出た)
12万円のほうは、2回とも両方の数字(106,480円と107,800円)を出しました。欄には2回とも3件ずつ並び、両方とも先頭2件が同じです。
- 段の基準になる「10万円」が税込の金額か、税抜の金額か
- 固定報酬制で、段の基準になる単位(1件ごとか、期間の合計か)
- 振込手数料をどちらで見るか(楽天銀行 100円か、他行 500円か)
📌 欄に落ちた12件(4回ぶん)を、貼ったページの本文と1件ずつ突き合わせました。実はページに書いてあったものは0件です。「出し渋らせただけ」にはなっていません。
4. 計算をさせず、率と根拠の行だけ写させる
2回とも金額を1つも出しませんでした(指示どおりです)。返ってくるのは率と、その根拠の行です。
20万円超の部分 5% ← 当たりません 10万円超20万円以下の部分 10% ← 当たります 10万円以下の部分 20% ← 当たります
🔑 写させると、当たらない行まで並びます。「20万円超は当たりません」は、こちらが聞いていない情報です。自分で電卓を叩くときに、どの行を使ってどの行を使わないかが一目で分かります。
5. 先に、公式の計算例を再現させる
4回とも計算例を再現し、4回とも 8,580円 に着地しました。計測器としては正しく動きます。
⚠️ ただし、12万円のほうでは 2回中1回しか両方の数字が出ませんでした。再現できた1回は、こう書いています。
計算例は 10,000円 の1通りしかなく、この額は段をまたがないので、「10万円」をどちらの金額で見るのかは再現からは決まりませんでした。
計算例を再現できることと、その計算例が自分の額に当てはまることは、別です。手元の額が例の外に出た瞬間、再現は保証になりません。
6・7. 「書いてあるか」だけを、単独で聞く
こちらの都合を混ぜずに、ページに書いてあるかどうかだけを聞きます。各3回。
3回とも「書かれていません」。正解です(こちらもページを開いて確かめました)。
こちらも 3回とも「書かれていません」。しかも 3回とも、ページにある「1週を1つの単位として」が時間単価制についての行であることを区別しました。
🔑 ここも見立てが外れています。「時間単価制の『1週』を固定報酬制に当てはめてしまうのが、いちばんありそうな壊れ方」と見ていましたが、6回で0件でした。「書かれていれば行を写して、なければ書かれていませんとだけ」という形にすると、当てはめる余地が消えます。
うまくいかないときの言い直し方
手取りが1つの数字で返ってきた
12万円で計算させた 8回のうち4回が、金額を1つだけ出しました。うち 2回は、税込か税抜かの話に一言も触れていません。
→ 3番の受け皿を足してください。それだけで、2回とも両方の数字が出ました。
→ もっと短く済ませたいなら、6番の形(書いてあるかどうかだけを聞く)で先に確かめてから計算に入ります。
「およそ」で丸めた数字が、いちばん上に出た
率を貼らずに聞いた回に1つありました。冒頭の行は「およそ 106,000円 前後です」で、本文の計算は 106,480円 です。106,000 という数字は、その返りのどこにも計算として出てきません。
もう1つの回は、冒頭が「おおよそ 8,480円〜8,580円」なのに、同じ返りの本文には他行の場合として 8,080円 が書いてあります。冒頭の幅の外です。
→ 読む側は、いちばん上の1行だけを持ち帰ります。金額を使う前に、その数字が本文のどの計算から出たのかを1つずつたどってください。同じ型はAIに数字を「それっぽく」埋めさせないための頼み方にもあります。
振込手数料を、勝手にどちらかに決められた
これは起きませんでした。20回のうち16回が楽天銀行と他行の両方を並べ、片方を選んだ回は0回です(4回は手数料に触れませんでした)。
→ 触れなかった回にだけ、「振込手数料を引く前と引いたあとの両方を書いてください」と足せば足ります。
同じ月に複数の案件があるとき、いくらになるか分からない
ここはページに書かれていません(7番のとおり3回とも「書かれていません」)。段の基準を1件ごとに見るのか、期間の合計で見るのかで、10万円を超えたあとの率が変わります。
→ AIに決めさせないでください。プラットフォームのサポートに聞いて、その回答を自分の手元に書き留めます。この記事の指示文は、そこを聞かずに済ませないための形です。
応用・次の一手
📌 前提を3つ書いた1枚を、先に作ってください。契約額(税抜か税込か)・段の基準の読み・振込先の銀行。この3つを自分で決めて書いておくと、毎回の計算が1通りになります。⚠️ 決めていないものは「未確認」と書いて残してください。空欄にすると、次に計算するときに埋められます。
🔁 毎月やるなら、同じ形で回せます。上の1枚と4番の指示文(率と根拠の行を写させる)を組み合わせると、毎月の入金予定を同じ様式で出せます。置き方は「毎日決まった時刻に自動でやっておいて」をAIに作らせると週報を毎週金曜に自動で作らせるにあります。
📌 時給のほうを出す話は、別の記事です。副業の時給をAIに出させると、計算は合うのに「線引き」だけが書かれないは、自分の作業記録から時給を出します。あちらは手数料に脇で触れているだけなので、引き算はこちらを使ってください。入力が「自分のログ」か「公表されている率」かで、埋まるものが変わります。
📌 同じ晩に測った近い記事が2本あります。集計表の数式が壊れる話は行が増えても合う集計表を作るに、提案文どうしの被りを測る話は案件の提案文を下書きまで作るにあります。この記事はどちらかというと族の反例です——手数料の率そのものは4回とも正しく、ぶれませんでした。埋まったのは率ではなく出典のほうです。
⚠️ この記事の数字はすべて架空データでの実測です(全26回=5通り×材料2種×各2回の20回+確かめの2問×各3回)。生の返りと照合に使ったコードは docs/evidence/take-home-from-the-contract-amount.md に全文置いてあります。料率は変わるので、使う前にご自身で開いて確かめてください。