これで何ができるか
副業で仕事を受けるとき、いちばん先に決めないといけないのは「これは何時間かかるか」です。ここを外すと、単価ではなく時給が直接崩れます。
AIに聞けば、答えは返ってきます。3回聞いて3回とも、時間の数字が返りました。「情報が足りません」で止まった回は0回です。
問題は、その数字がどこから来たのかです。架空の案件(5,000字・未経験の分野)で実際に試したところ、返ってきた合計は10〜16時間まで開きました。3回とも、何をもとにした数字かは1行も書かれていません。
この記事は、その数字を自分の作業記録から出し直す頼み方を載せます。同じ案件に自分の記録を貼って聞き直した3回では、開きが1.83時間まで縮みました。
前提
| かかる時間 | 30分(記録がまだ無いなら、次の1件から取り始めるところまで) |
| 費用 | 無料。無料のチャットAIで足ります |
| 必要なもの | 過去にやった似た作業の、工程ごとの分数。3本ぶんあれば足ります |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
記録がまだ無くても読み進めてかまいません。「何を測ればいいか」を出させるところまで、この記事に入っています。
見積もりを外すと何が起きるかは、金額に直すと分かりやすいので置いておきます。
公表されている「相場」は、たいてい発注する側が払う額です。働いた人の受取額ではありません。そして受取額が同じでも、何時間で終わるかによって時給は1.6倍動きます。だから時間のほうを自分で持つ必要があります。
AIへの頼み方
以下は架空の案件(テーマ「太陽光発電の売電価格」・5,000字・未経験の分野・画像3枚・修正2回まで)と、架空の作業記録3本で試した結果です。試した回数は指示文ごとに書きます。
1. まず、そのまま聞くと何が返るか
3回試して3回とも、合計の数字が返りました。10〜16時間/12〜16時間/10〜13時間です。3回とも工程ごとの内訳表まで付いてきます。
内訳表は、読むと納得できる形をしています。だから見落としやすいのですが、その表に並んだ工程のうち、私が入力に書いたのは「画像」と「修正」の2つだけです。リサーチ・構成・執筆・推敲・ファクトチェックは、AIが立てたものです。
🚨 3回目には、聞いてもいない金額が出ました——「1本1万円なら時給800円台になります」。入力に報酬額は1文字も書いていません。これは売れるものの棚卸しでも起きた型です。
2. その数字の出どころを、分けさせる
同じ会話の続きで、こう聞き返します。
3回試して3回とも、時間の数字は全部「推測」の側に置かれました。根拠の側に残ったのは「その工程が存在すること」だけです。返ってきた文をそのまま引くと、こうです。
表の「項目」の列はあなた由来、「時間」の列は私由来です。
聞けば正直に答えます。聞かなければ、推測だと書かれないまま数字だけが残ります。3回目は、勝手に出した金額まで自分から撤回しました(「あなたは報酬額を一言も書いていません。勝手に数字を持ち出しました」)。
🔑 そして3回とも、自分から次の一手を提案しました——過去に書いた記事の字数と、実際にかかった時間を渡してほしい、と。次がそれです。
3. 自分の作業記録を貼って、引用と「記録なし」を求める
ここが記事の本体です。過去の記録を貼り、根拠にした行をそのまま引用させます。
3回試した結果です。
| 記録を渡さずに聞いた3回 | 記録を貼った3回 | |
|---|---|---|
| 返ってきた合計 | 10〜16時間 / 12〜16時間 / 10〜13時間 | 670〜765分 / 660〜770分 / 665〜755分 |
| 3回を合わせた開き | 6.00時間 | 1.83時間 |
| 根拠の引用 | 0件 | 全件が記録に実在(捏造0件) |
記録に実際に残っている2本の合計は675分と725分です。記録を貼った3回の帯は、どの回もこの2つを内側に含んでいました。
「記録なし」と書かせたことが、いちばん効きました。3回とも記録なしの欄ができ、こちらが仕込んでおいた穴を、3回とも自分から見つけています。
- 🔑 画像の「枚数」がどの行にも書かれていない(分数しか記録していない)ことを、3回とも指摘した
- 🔑 修正2回目の記録が1本しかないことを、3回とも指摘した
- 記録に無い工程(打ち合わせ・入稿・キーワード選定)を、数字を出さずに「記録なし」へ回した
材料は完全でなくてかまいません。不完全なまま貼ると、どこが欠けているかのほうが返ってきます。
4. 平均ではなく、いちばん時間がかかった回を使う
相手に出す数字は、平均より上側で持っておくほうが安全です。
2回試して2回とも、合計770分(12時間50分)。工程7つの数字も、どの記事から採ったかも、1件残らず一致しました。記録から計算した真値とも一致しています。
⚠️ ただし、2回とも同じところで自分から断りを入れました。画像えらびの最大値だけが「やったことのある分野」の記事から来ている(35分)というものです。直前まで経験ありの記録を根拠から外していたのに、「最大値」と言い換えた瞬間に、外したはずの記録が1工程だけ戻っています。
言い換えは、こちらが思っているより広く効きます。どの範囲から選ぶのかは、毎回書き直してください。
5. 時給に直すのは、式だけもらう
見積もりが出たら時給に直しますが、ここで金額をAIに書かせません。
この形は2回試しました(うち1回は、こちらの書き方が1語だけ違います)。どちらの回も、金額は1つも入りませんでした。返ってきた式はこれです。
〔契約額〕×(1 −〔手数料の率〕)÷〔見積もり時間〕
🔑 指示文1では、頼んでもいない「1本1万円」が出ました。金額を禁止したのではなく、金額の入る場所をこちらが持ったから0件になりました。空欄を渡すと、埋めるかどうかを決めるのは自分になります。
さらに、こちらが聞いていないのに1回はこう書き添えました——「〔見積もり時間〕には『記録なし』とした工程の時間は入っていません。足さずに割ると時給が実際より高く出ます」。
うまくいかないときの言い直し方
この見積もりを相手に出してよいか、判断がつかない
2回試しました。2回とも1位は「修正2回目」(記録1件)で、記録から計算した順番とも一致しています。
🚨 ただし、2回で「母数」が割れました。1回目は未経験の2本だけ(記録2件)を数え、2回目は3本すべて(記録3件)を数えています。そのせいで下調べの開きが35分と120分になりました。同じ記録に、同じ指示文です。
どちらの回も、自分が使った母数の中では計算が完全に合っています。割れたのは計算ではなく、数え方のほうです。
原因は返り側ではなく、こちら側にありました。2回目の会話では、直前に指示文4(全部の記録から最大を採る)を通していたのです。前の質問が、次の質問の数え方を決めていました。同じ現象は毎週の報告書を自動で置かせるでも出ています。
→ 数え方を答えに含めさせてください。「何件から選んだかを、工程ごとに書いてください」の一文で、割れていること自体が画面に出ます。
数字は出たが、自分の実感と合わない
指示文3の形で出した数字が実感とずれるときは、記録のほうが実態と違っている可能性が先です。数字を疑う前に、記録に何を書いていないかを見てください。
今回の実測では、記録の穴は3回とも返り側から指摘されました(画像の枚数・修正2回目・打ち合わせの時間)。合わない原因は、たいてい「測っていなかった工程」です。
すでに終わった仕事の集計で同じことをやる方法は、時給と偏りを記録から出すにあります。あちらは終わった記録の線引きの話、この記事はこれから使う数の出し方の話です。
応用・次の一手
次の1件から、何を測るかを決めておく
記録が無い人は、ここから始めます。1回だけ試した結果です。
返ってきたのは6項目でした。増やさなかった理由も付いています——「押し分けの正確さは、工程の切れ目が体で分かるかで決まる」。細かく測ったほうが良さそうな項目(執筆中の調べ直し・見出しごとの時間)は、押し忘れる区間が必ず出るので入れない、と自分から外しました。
いちばん効く指摘はこれでした。
起きなかった工程は、行を消さずに「0分」と書く。
修正2回目の記録が1件しか使えなかったのは、行が無いせいで「起きなかった」のか「書き忘れた」のかが分からないからです。0分と書いてあれば、それは記録です。
毎回やるなら、自動にする
見積もりを出すたびに記録を貼り直すのは手作業です。案件を続けて受けるなら、記録をファイルに書き溜めて、決まった時刻に自動で動かす形に移せます。そのときは指示文を短くする工程で「記録なし」の一文を落とさないでください——出力の見た目に効かない一文ほど、真っ先に削られます。
この記事の外に置いたもの
決めた数字を相手に伝える文面の作り方は書いていません。そちらは発注者への返事にあります(丁寧に書かせると、決めた条件のほうが消えます)。契約や税務の判断もしていません。
そして、ここで出した数字はあくまで自分の記録から出したものです。記録が3本しかなければ、根拠も3本ぶんです。件数が少ないうちは、幅のまま相手に出すほうが正直です。