これで何ができるか

監視の対策は100件でも効くには、著者自身が書いた 未測定事項がありました。「過去分がもっと多い場合(数百件・数千件)は、そもそも一覧を丸ごと貼れなく なり、材料を分割して渡す必要が出てきます。分割したときにどちらの側で崩れるかは、この記事では扱って いません」。

測りました。監視対象の過去ログを300件まで育て、1つのメッセージに貼りきれない前提で、 100件ごと3分割・150件ごと2分割の2通りに分けてAIに渡しました。

300件のログに仕込んだ2件の新着(100件目・201件目)の位置を固定したまま、分け方を100件ごと3分割と150件ごと2分割の2通りに変えた図。100件ごと3分割では、100件目はちょうど1つ目の境界線の上に、201件目はちょうど2つ目の境界線の直後に乗る。150件ごと2分割では、同じ100件目・201件目はどちらも境界から離れたチャンクの中ほどに収まる。件数と中身は300件とも同じで、分け方だけを変えて境界の位置をずらしていることを示す。
同じ2件でも、分け方次第で境界の上に乗ったり中ほどに収まったりする。

新着2件の位置は固定し、仕込んだのは「本日付けの投稿(または受付)」です。100件ごと3分割では、 この2件がちょうど境界線の上(1つ目の境界の直前・2つ目の境界の直後)に乗ります。150件ごと2分割 では、同じ2件がチャンクの中ほどに収まります。中身は変えず、分け方だけを変えて境界の位置をずらし ました。

材料2本(SNS監視・問い合わせ監視)×分け方2通り×各2回、さらに聞き方を2通り加えて計16回試した 結果、境界の上でも中ほどでも、仕込んだ新着2件×16回=32件は32件とも見逃されませんでした。 無関係な過去の投稿を新着と誤って数えた回も0件でした。

前提

かかる時間 20分
費用 無料。無料のチャットAIで足ります
必要なもの ブラウザで使えるAI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)と、育ってしまった監視の一覧
プログラミング 不要

⚠️ この記事は「毎朝、この一覧を自動で作らせる仕組み」がすでにある前提です。仕組みそのものを 決まった時刻に動かす話は毎日決まった時刻にAIを動かす仕掛けを作らせる にあります。

📌 新着判定そのものの書き方は、前の2本と同じです。この記事が足したのは「一度に貼れないほど 育ったら、分けて渡しても境界で崩れないか」という1点だけです。

AIへの頼み方

1. まず素朴な指示文を、分割して渡す

1つ目の進め方は「全部届くまで分析しない」と伝え、最後にまとめて聞くやり方です。下はSNS監視 (@pottery_studio_tsuchi)の例です。問い合わせ監視でも、対象名の部分を入れ替えただけで指示文の 構造は同じにしました。

毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-10-05です。 @pottery_studio_tsuchiの過去の投稿一覧が育って全部で300件になり、1つのメッセージに貼りきれないため、3回に分けて貼ります。全部貼り終えるまでは、分析や件数の集計はせず「次をお願いします」とだけ返してください。 1回目(1件目から100件目)です。 (ここに、1件目から100件目までの投稿一覧をそのまま貼ります)

2回目は「続き」とだけ告げて次のチャンクを貼ります。

続き(101件目から200件目)です。 (ここに、101件目から200件目までの投稿一覧をそのまま貼ります)

最後のチャンクで、初めて新着を聞きます。

続き(201件目から300件目)です。これで@pottery_studio_tsuchiの過去分は全部(300件)届きました。 (ここに、201件目から300件目までの投稿一覧をそのまま貼ります) 既読リストに無い項目を新着として、該当する投稿のIDだけを列挙してください。説明や前置きは不要です。該当が無ければ「新着なし」とだけ書いてください。

材料2本×分け方2通り(100件ごと3分割・150件ごと2分割)×各2回、計8回試しました。 8回とも、仕込んだ新着2件を1件も欠かさず、他の投稿を巻き込むこともなく正しく列挙しました。 境界線のちょうど上に乗っていた3分割の回でも、結果は変わりませんでした。

2. 毎回「新着はある?」と聞きながら進めても崩れないか

実際の使い方により近いのは、チャンクを貼るたびに「ここまでで新着はある?」と聞いてしまうやり方 です。都度の答えが、最後の「全部まとめて」で食い違わないかを確かめました。

毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-10-05です。 @pottery_studio_tsuchiの過去の投稿一覧が育って全部で300件になり、1つのメッセージに貼りきれないため、3回に分けて貼ります。 1回目(1件目から100件目)です。この中に本日(2026-10-05)付けの新着があれば、IDを教えてください。無ければ「新着なし」と答えてください。 (ここに、1件目から100件目までの投稿一覧をそのまま貼ります)
続き(101件目から200件目)です。この中に本日(2026-10-05)付けの新着があれば、IDを教えてください。無ければ「新着なし」と答えてください。 (ここに、101件目から200件目までの投稿一覧をそのまま貼ります)

全部貼り終えたところで、今度は過去のやり取り全体を振り返らせます。

これで@pottery_studio_tsuchiの過去分は全部(300件)届きました。ここまでのやり取りを振り返って、本日(2026-10-05)付けの新着をすべて、IDで列挙してください。説明や前置きは不要です。見つからなければ「新着なし」とだけ書いてください。

こちらも材料2本×分け方2通り×各2回、計8回試しました。都度の判定でも、境界をまたいで数ターン前 に貼った新着を、最後の振り返りでも2件とも正しく挙げ続けました。「もう答えたから」と、 前に見つけた新着を最後の一覧から落とす回は0件でした。

300件のログを材料2本(SNS監視・問い合わせ監視)×分け方2通り×各2回、合計16回試した結果を示す表。すべて「境界の新着を正しく拾えた件数/仕込んだ件数」で、多いほど良い。素朴な指示文・100件ごと3分割(境界の上)は8件中8件、素朴な指示文・150件ごと2分割(中ほど)も8件中8件、チャンクごとに都度判定してから最後に聞き直す進め方の3分割(境界の上)も8件中8件、同じ進め方の2分割(中ほど)も8件中8件で、いずれも仕込んだ新着を取りこぼさなかった。下の枠には、境界の真上でも中ほどでも合計32件の仕込みを見逃した回は0件、誤検知も0件だったこと、何ターンも前のチャンクの新着も最後にまとめて聞くと正しく拾えていたことが書かれている。
素朴な聞き方でも、都度聞いても、境界の有無で結果は変わらなかった。

3. わざと紛らわしい日付を仕込んでも拾われたか

300件を機械的に生成する過程で、過去分の中に同じ月日で年だけ違う投稿(例: 2025年の同じ 月日の投稿)が偶然混ざりました。これは「日付の下4桁だけ見て判定していないか」を確かめる自然な ひっかけになりました。

2026-10-05: 「クーポンの使い方が分からない」(受付ID: LN-261005-1)  ← 本日付け(新着)
2025-10-05: 「メルマガ解除の依頼」(受付ID: LN-251005-1)            ← 1年前(新着ではない)

このひっかけを誤って新着に数えた回は、16回中0回でした。返ってきた文章の中でも 「年が違うため新着ではありません」と自分から言及した回が複数ありました。年まで含めて日付を 照合していたことがうかがえます。

うまくいかないときの言い直し方

境界で崩れると思っていたのに崩れなかった

この実測の範囲では、分割そのものは崩れる原因になりませんでした。もし実際の自動化で新着の 見落としが起きているなら、疑う順番を変えてください。監視の対策は100件でも効く で分かっているとおり、崩れるのは件数でも分割でもなく「簡潔にしてください」のような書式の 指定を対策の一文に重ねたときでした。まず書式の指定を外し、崩れが消えるかを確かめてください。

チャンクの区切り方が分からない

この記事では100件・150件という区切りを使いましたが、区切りの大きさそのものは結果を左右しません でした。目安は「チャットの入力欄に貼って、折り返しや省略が起きない量」です。貼ってみて途中で 切れるようなら、もう少し小さい区切りに変えてください。

件数がもっと多い場合(1,000件・10,000件)は

この記事が試したのは300件・最大3分割までです。1,000件・10,000件規模になると、チャンクの 本数そのものが増え、会話が長くなります。会話が長くなるほど、最初のほうのチャンクを正しく 覚えていられるかは、この記事では確かめていません。その規模で使う場合は、最初の1回だけ、 報告された件数と元の一覧を自分の目で見比べてください。

応用・次の一手

この記事の結論は2つです。①監視ログが数百件まで育ち、分割して渡す必要が出ても、境界の位置 そのものは新着の見落としを増やしませんでした。②チャンクごとに都度「新着はある?」と聞いても、 最後にまとめて振り返らせれば、数ターン前に見つけた新着を2件とも拾い続けました。

📌 この記事が答えたのは前の記事の未測定事項の うち「分割したときに境界で崩れるか」だけです。件数そのものをさらに増やす話(1,000件超)、 分割の回数をさらに増やす話(5分割・10分割)は、この記事では扱っていません。

📌 「新着が無いことの確認」に使うなら定期実行させたAIが「本当に動いたか」を、自分で確かめる形にする と組み合わせると、分割して渡した回数と、実際にAIが応答した回数が一致しているかまで確認できます。

⚠️ この記事が実測していないこと=1,000件を超える規模、4分割以上の分け方、書式の指定を 分割と同時に重ねた場合の3つです。実際に監視ログを分割して渡す人は、最初の1回だけ、報告された 件数と元の一覧を自分の目で見比べてください。