これで何ができるか

副業で「納期は中5営業日でお願いします」と言われたことはありませんか。言われた側は、いつを1日目として数えるのか、土日と祝日をどう扱うのかを、毎回自分で決めています。AIに逆算させても同じで、休みの情報を渡さないと、AIも同じように自己流で決めます

この記事は、受注日から着手日・納品日を逆算させる頼み方を載せます。休みの情報を渡さずに4件の受注日で試したところ、着手日の決め方は3通りに割れました(後述のとおり4件のうち2件は結果が同じで区別できません)。架空の祝日表を渡すだけで、この4件は同じ数え方に揃いました。

受注日4件に「中5営業日で」と逆算させた結果を版ごとに並べたマス目。休みを言わない版aは、起算日の決め方が3通りに割れた——9/4と9/7は翌営業日にずらす規則で説明でき区別できない、9/18は非営業日を着手日にする、9/28は答えた着手日と計算が矛盾する。架空の祝日表を渡した版bと、数え方の定義文まで足した版cは、どちらも4件とも真値と一致し、結果の内容も完全に同じだった。
差が出たのは「数え方を細かく指定したかどうか」ではなく、「休みの情報そのものを渡したかどうか」でした。

前提

かかる時間 15分
費用 無料
必要なもの 自分の休みの予定(土日以外の休業日があれば)
プログラミング 不要。指示文をコピーして、休みの日付を書き換えるだけです

発注元がAIの利用を禁じている場合があります。規約や指示書を先に確かめ、禁じられているなら使わないでください。

AIへの頼み方

1. まず、休みを言わずに聞いてみる

これがいちばん普通の頼み方です。まず何も足さずに聞いてみます。

受注日は2026年9月4日(金)です。納期は「中5営業日」でお願いします。着手日と納品日を教えてください。

架空の受注日4件(金曜/祝日前日の月曜/連休直前の金曜/月をまたぐ月曜)でこの言い方だけを試したところ、着手日の決め方は3通りに割れました。金曜と祝日前日の月曜の2件は週末を正しく飛ばして同じ答えになり、この2件だけでは「暦日のままなのか、営業日を数えたのか」を区別できません。残り2件は別々の崩れ方で、連休直前の金曜は土曜日をそのまま着手日として提示し、月をまたぐ月曜は答えた着手日と、実際に納品日の計算に使った日が食い違っていました。AIが間違えているのではなく、休みという材料をこちらが渡していないだけです。材料が無いぶんを、AIはそのつど自己流で埋めています。

2. 休みの日付を渡す

効いたのは、休みの日付を並べて渡すことでした。

受注日は2026年9月4日(金)です。納期は「中5営業日」でお願いします。着手日と納品日を教えてください。 営業日は月〜金です。ただし下の日は休みとして扱ってください。 ・2026年9月8日(火)けやき創業記念日 ・2026年9月21日(月)みなと感謝の日

同じ4件で試すと、4件とも同じ数え方で答えが揃いました。起算日をいつにするかという文章での説明は一切足していません。休みの一覧という材料さえあれば、数え方の言葉を足さなくても答えは安定する、という結果です。

3. 数え方まで文章で指定してみる(この材料では差が出なかった)

もう一歩踏み込んで、起算日の決め方まで文章で書き足すとどうなるかも試しました。

受注日は2026年9月4日(金)です。納期は「中5営業日」でお願いします。着手日と納品日を教えてください。 営業日は月〜金です。ただし下の日は休みとして扱ってください。 ・2026年9月8日(火)けやき創業記念日 ・2026年9月21日(月)みなと感謝の日 数え方は次のとおりです。起算日は受注日の翌営業日です。起算日を1日目として営業日を数え、5日目の日を納品日としてください。

同じ4件で試したところ、返ってきた答えは手順2とまったく同じでしたこの4件では、定義文を足したことによる違いは出ませんでした。「数え方まで細かく書かないと危ない」という思い込みは、少なくともこの材料では当たりませんでした。効いていたのは休みの一覧のほうです。ただし試したのは4件だけなので、「定義文はいつも要らない」とまでは言い切れません。迷ったら手順3の形で渡しておいて損はありません。

うまくいかないときの言い直し方

着手日が土日や祝日と重なっている

休みを渡さずに聞いた結果、着手日が休業日になっていることがあります。あとから直させると、こうなります。

さっき、受注日2026年9月18日(金)に対して、次のように答えました。 「着手日:2026年9月19日(土) 納品日:2026年9月25日(金)」 さっきの答えの着手日が、土日や祝日と重なっていないか確認してください。重なっていたら、次の営業日まで送ってから、着手日と納品日を出し直してください。 なお、休みとして扱う日は以下です。 ・2026年9月8日(火)けやき創業記念日 ・2026年9月21日(月)みなと感謝の日

休みと重なっていることは正しく見つけましたが、出し直した納品日はこちらの真値と1日ずれました。着手日を直す過程で、日数の数え方そのものが変わってしまったためです。あとから直させるより、最初から手順2の形で休みの一覧を渡すほうが安定します。このやり方は記事には載せますが、おすすめの直し方としては採用していません。

数え方があっているか、日付を出す前に確かめたい

いきなり日付を出させず、考え方だけ先に説明させることもできます。

「中5営業日」の数え方を、計算する前に文章で説明してください。起算日をいつにするか、何日目を納品日にするかを書いてください。私が確認してから、実際の日付を計算してください。 受注日は2026年9月18日(金)です。休みとして扱う日は以下です。 ・2026年9月8日(火)けやき創業記念日 ・2026年9月21日(月)みなと感謝の日

数え方を文章で説明したところで止まり、日付の計算はまだ実行されませんでした。説明が自分の想定と違っていたら、その場で言い直せます。日付をいきなり出されるより、この段階で確認するほうが手戻りが小さくて済みます。

応用・次の一手

案件が複数あるなら、同じ休みの一覧を使ってまとめて計算させられます。

下に受注日を4件並べます。同じ休みの表とルールで、それぞれの着手日と納品日をまとめて計算して、表にしてください。抜けは無いようにしてください。 ・2026年9月4日(金) ・2026年9月7日(月) ・2026年9月18日(金) ・2026年9月28日(月) 休みとして扱う日は以下です。 ・2026年9月8日(火)けやき創業記念日 ・2026年9月21日(月)みなと感謝の日 数え方は次のとおりです。起算日は受注日の翌営業日です。起算日を1日目として営業日を数え、5日目の日を納品日としてください。

4件とも真値と一致し、抜けもありませんでした。件数が増えても1件ずつ聞き直す必要はありません。まとめて渡す頼み方は同じ指示を何回もコピペしているなら、まとめて1回で頼めるにまとめています。

「中5営業日」のような数え方の食い違いは、一次返信をまとめて下書きさせると、決めていないことが文面の中で決まりますでも「決まっていない論点」として名前だけ挙がっていました。この記事はそこを実際に測った続きです。

毎回同じ休みの一覧を使い回すなら、次は頼むこと自体をやめられます。

この作業を、毎週決まった時刻に自動で実行できるようにしたいです。 私はプログラムを書けません。何が必要になるか、私がやる作業を番号を振って書いてください。作れるものはあなたが作ってください。

ここから先は「毎日決まった時刻に自動でやっておいて」をAIに作らせるに続きます。

同じ日に公開した返信の定型文をAIに作らせるも、副業の定型作業を自動化の手前まで持っていく話です。あちらは「共通部分の型」を抜くところまでで止め、この記事は「休みの一覧」という材料を渡すところまでで止めています。どちらも、最後の送信・提出はAIに預けていません。