これで何ができるか

AIを使い始めて最初にぶつかる無駄が、これです。1件処理してもらって、次の1件でまた同じ前置きを書いて、また待つ。20件あれば20回くり返します。

まとめて渡せば、説明は1回で済みます。しかも1件ずつのときより結果が揃います。同じ物差しで一気に処理されるからです。

1件ずつ10回頼む場合と、10件まとめて1回頼む場合を比べた横棒グラフ。1件ずつ10回は、説明を書く時間が10回ぶん積み上がり、待ち時間も10回ぶんかかる。10件まとめて1回は、説明が1回ぶんで済み、待ち時間も1回にまとまる。待ち時間そのものは減らず、減るのは毎回同じ前置きを書き直すぶん。
減るのは「毎回おなじ説明を書き直す」ぶんです。ここが一番もったいない時間です。

前提

かかる時間 10分
費用 無料
必要なもの どのAIでも使えます
プログラミング 不要。並べて渡すだけです

AIへの頼み方

1. 基本の形 — 手順を1回、対象を並べる

同じ処理を複数の対象にまとめてやってください。 【やってほしいこと】 (1件ぶんの手順をここに1回だけ書く) 【対象】 1. (1件目) 2. (2件目) 3. (3件目) 結果は表にまとめてください。処理できなかったものは飛ばさず、理由を書いてください。

「できなかったものは飛ばさず、理由を書いて」の一文が、この記事で一番大事です。これが無いと、処理できなかったものが黙って結果から消えます。20件頼んで17件返ってきても、抜けた3件に気づきません。

2. 番号を返させて、抜けを機械的に見つける

数が多いときは、目で数えるのをやめます。

結果には、渡した番号をそのまま付けてください。 最後に「渡した件数」と「返した件数」を書いてください。数が合わない場合は、どの番号が欠けたかを列挙してください。

自分で数えず、AIに数えさせて突き合わせます。人が20行を目で照合すると、必ずどこかで見落とします。

3. 1件だけ試してから、全部渡す

いきなり全件渡すと、間違った形で全件やり直しになります。

まず1件目だけやってください。 私が結果の形を確認してから、残りを渡します。この時点では他の対象に手を付けないでください。

「他に手を付けないで」まで書きます。これが無いと親切心で全部やってしまい、確認の意味がなくなります。範囲の区切り方は「ついでに整理しておきました」と言わせない頼み方にまとめました。

4. 揃わないときは、基準を先に決めさせる

まとめて頼むと、判断が混ざる作業では結果がばらつきます。

処理を始める前に、判断の基準を先に文章にしてください。 私が基準を確認してから、全件に同じ基準で適用してください。途中で基準を変えないでください。

基準を先に出させると、あとで結果を疑わなくて済みます。おかしな結果が出ても、基準を直せば全件に効きます。

5. 毎回やっているなら、頼むこと自体をやめる

同じまとめ処理を毎週やっているなら、次の段階があります。

この作業を、毎週決まった時刻に自動で実行できるようにしたいです。 私はプログラムを書けません。私がやる作業を番号を振って書いて、作れるものはあなたが作ってください。

ここから先は「毎日決まった時刻に自動でやっておいて」をAIに作らせるに続きます。

うまくいかないときの言い直し方

途中で力尽きて、最後のほうが雑になった

件数が多いと起こります。

後半の結果が雑になっています。10件ずつに分けて、1回目の10件からやり直してください。 各回の最後に「ここまで何件終わったか」を書いてください。

1回で全部やらせようとせず、区切って渡すほうが結果は安定します。目安は10〜20件です。

表の形が途中から変わった

表の列を最初に決めてください。列名だけ先に出して、私が確認します。 そのあと全件を、その列だけで埋めてください。途中で列を足さないでください。

1件ずつのときより結果が浅くなった

まとめると、1件あたりは浅くなることがあります。これは正直に切り分けてください。

まとめて処理したことで浅くなっていないか確認します。 いまの結果のうち、もっと詳しく見るべきものはどれですか。3件だけ選んで、その3件は1件ずつ詳しく処理し直してください。

全部を深くやる必要はありません。まとめて処理して、重要なものだけ選び直すのが速いです。

途中でエラーになって全部消えた

途中で止まりました。最初からやり直さず、止まった続きから再開してください。 どこまで終わっているかを先に教えてください。

長い処理をさせる前に、途中結果を手元に貼っておくと安全です。

応用・次の一手

慣れたら、対象そのものをAIに作らせられます。

まず対象の一覧を作ってください。(どこから集めるか) 一覧ができたら私が確認します。そのあと、一覧の全件に同じ処理をしてください。

もう1つ、まとめ処理は比較と相性がいいです。

対象を並べます。それぞれを同じ観点で評価して、比較表にしてください。 観点は(3つくらい)です。最後に、観点ごとに一番良かったものを教えてください。

自分の仕事のどこにこの型が使えるかを探すなら、渡せる作業の見つけ方の「繰り返し」の型がそのまま入口になります。