これで何ができるか

前回処理した続きから自動処理を再開する仕組みを作ると、次に困るのが3連休のような複数日の休業です。休業中は何も起きないので、休業明けに受付ログや売上記録を貼って「日ごとの内訳」を作り、そのまま週次・月次の比較に使いたくなります。

この記事は、休業日3日を挟んだ受付ログ・売上記録を、正しく5日ぶんの日別内訳にできるかを試したものです。3連休(土日月)を挟んで金曜と休業明けの火曜にだけ記録がある架空のログを2本(問い合わせ・売上)用意し、頼み方を変えて全38回通しました。

休業日3日が日別集計に0件と書かれるかどうかを、頼み方2種で比べた図。3連休(土日月)を挟んでたまった架空の受付ログ・売上記録2本で、「行に書かれている日付ごとに、件数を1日ずつ分けて教えてください」とだけ頼んだ6回は、休業日3日が一覧に一度も現れず0/18日。日付の範囲と「該当する行が無い日は0件と書いてください」を添えた12回は、3日とも正しく0件と出て36/36日だった。どちらの頼み方でも合計件数自体は正しかったが、素朴な頼み方では日別の内訳が5日ぶんではなく2日ぶんしか返らなかった。
休業日3日は、「0件と書いて」と言わないと一覧に一度も出てこなかった。

「今日届いた分をまとめて」という素朴な聞き方では、休業前の金曜分を今日に混ぜることは6回とも起きませんでした。行に書いてある日付は、ちゃんと見分けられています。

ところが「日ごとに分けて教えて」と頼むと話が変わります。休業日3日は「0件」と書かれるのではなく、一覧そのものから消えました。6回とも、5日ぶんのはずの内訳が2日ぶんしかありません。合計件数は正しいのに、週次の折れ線グラフに使おうとすると3点足りない、という壊れ方です。

プログラミングは要りません。毎日の受付ログを貼るだけで試せます。

前提

かかる時間 25分
費用 無料。無料のチャットAIで足ります
前提 決まった時刻に自動でやっておいて、をAIに作らせる仕組みや、日々の記録を貼って集計する運用が、すでにあること

この記事は、その運用が3連休のような複数日の休業をまたいだとき、日ごとの内訳がどうなるかを試した話です。

AIへの頼み方

1. 「今日届いた分をまとめて」と頼んでも、休業前の分は混ざらなかった

下は問い合わせの受付ログです。2026年8月8日(土)から8月10日(月)までの3日間は夏季休業で、営業を完全に止めていました。休業明けの今日、2026年8月11日にまとめて確認しています。今日届いた分の件数を教えてください。金額の記録があれば、その合計金額もあわせて教えてください。

(この下に、実際の受付ログをそのまま貼ります)

材料は、休業前の金曜(8/7)に5件・休業明けの火曜(8/11)に4件の記録がある問い合わせログと、同じ形の売上記録(8/7に4件・55,000円、8/11に3件・52,000円)の2本です。「今日ぶんをまとめて」という頼み方は、休業前の記録まで「今日」に混ぜてしまいそうに見えます。

実際には、材料2本×各3回=6回とも、休業前の金曜分は「今日」に混ざりませんでした。問い合わせログでは今日の4件だけを正しく報告し、売上記録では「8/7分の4件は休業前に届いていたものなので、今回の『今日届いた分』には含めていません」と、自分から除外の理由まで書いた回もありました。行に書いてある日付さえ読み取れれば、砕けた聞き方でも取り違えは起きていません。

2. 「日ごとに分けて」と頼むと、休業日3日は0件ではなく行ごと消える

下は問い合わせの受付ログです。行に書かれている日付ごとに、件数を1日ずつ分けて教えてください。

(この下に、実際の受付ログをそのまま貼ります)

週次の比較に使うなら、本当に欲しいのは「今日ぶん」の1つの数字ではなく、休業日も含めた5日ぶんの内訳のはずです。そこで、日付ごとに分けてとだけ頼み直しました。

結果は、材料2本×各3回=6回とも同じでした。返ってきた一覧には、記録がある8/7と8/11の2日しか載っていません。休業日の8/8・8/9・8/10は「0件」とすら書かれず、最初から無かったことになっています。合計件数(9件・7件/107,000円)はどちらも正しいのに、日別の内訳としては3日ぶん足りないという壊れ方です。この一覧をそのまま週次のグラフに貼ると、5点あるはずの折れ線が2点になります。

うまくいかないときの言い直し方

平均を聞くと、AI自身が「0件か記録漏れか」と止まることがある

日別の内訳の代わりに、期間を指定して「1日あたりの平均」を直接聞いたらどうなるかも試しました。

下は問い合わせの受付ログです。2026年8月7日から8月11日までの5日間について、1日あたりの平均件数を教えてください。

(この下に、実際の受付ログをそのまま貼ります。休業日のことは説明していません)

材料2本×各3回=6回のうち5回は、AI自身が「8/8〜8/10の3日間はログに記載が無いが、0件だったのか記録漏れなのか分からない」と指摘し、0件として計算した場合の平均と、記録がある日だけで計算した平均の両方を示して確認を求めました。黙って間違った日数で割った回は、6回中0回でした。残る1回(問い合わせログ・1回目)は、確認を挟まずにそのまま0件扱いで計算し、たまたま正解の1.8件と一致しています。

止められたときの答え方はシンプルです。休業日を明示するだけで、確認なしに正しい答えが返ります。

下は問い合わせの受付ログです。2026年8月8日(土)から8月10日(月)は夏季休業で、完全に0件でした。2026年8月7日から8月11日までの5日間について、1日あたりの平均件数を教えてください。

(この下に、実際の受付ログをそのまま貼ります)

材料2本×各2回=4回とも、休業日を0件として計算した正しい平均(問い合わせ1.8件・売上1.4件)を、確認なしに一発で出しました。「平均を聞かれたら止まる」のではなく、「休業日だと言われていないから止まる」という順番だと分かります。

日別の内訳が、まだ2日ぶんしか出ない

「日ごとに分けて」だけでは3日消えることは分かったので、抜けている日を明示的に埋めさせます。日付の範囲と、0件の扱いを指示文に足すだけです。

下は問い合わせの受付ログです。行に書かれている日付ごとに、2026年8月7日から8月11日までの5日間、1日ずつ件数を教えてください。該当する行が無い日は0件と書いてください。

(この下に、実際の受付ログをそのまま貼ります)

材料2本×各3回=6回、さらに休業の理由を説明した版でも材料2本×各3回=6回、合わせて12回とも、5日ぶんの内訳が休業日3日を含めてすべて正しく出ました。休業日である理由を説明してもしなくても結果は同じで、効いているのは「日付の範囲」と「0件と書いてください」という2つの明示だけです。

新しく置く自動化なら、金額もまとめて聞き、この一覧をそのまま週次比較に使うと明言した1本にまとめておくと安心です。

下は問い合わせの受付ログです。行に書かれている日付ごとに、2026年8月7日から8月11日までの5日間、1日ずつ件数を教えてください。該当する行が無い日は0件と書いてください。金額の記録があれば、日付ごとの合計金額もあわせて教えてください。この一覧はそのまま週次の比較に使うので、抜けている日が1日も無いようにしてください。

材料2本×各2回=4回とも、休業日3日を含めた5日ぶんの件数と金額が、1回の指示文で正しく出ました。新しく置く自動化の指示文は、最初からこの形で始めることをおすすめします。

応用・次の一手

前回処理した続きから自動処理を再開する仕組みそのものは遅れても壊れない自動処理にするにあります。あの記事は実行そのものの遅れを扱い、この記事は実行結果を日ごとの内訳に直すときの壊れ方を扱いました。対象が違うので、両方を組み合わせて使ってください。

人が手動で先に処理した分の書き戻しは手が空いたので少しだけ先に処理しても、書き戻し忘れで5件が重複する、月をまたぐ集計の帰属先は先月ぶんの集計を毎月自動で出すを参照してください。今回の「日をまたぐ」話は、あちらの「月をまたぐ」話の縮尺違いです。

休業日そのものを異常アラームと区別する話は0件アラームに休業日を教えるにあります。あちらは異常検知、この記事は日別集計という別の使いどころです。休業日リストは同じファイルを両方で使い回せます。

毎朝これを自動で走らせる土台は「毎日決まった時刻に自動でやっておいて」をAIに作らせるにあります。連休のたびに毎回指示文を書き直さず、休業日と処理対象期間を渡す部分だけを更新する運用にすると、手間が最小になります。