これで何ができるか
見本の文章を渡すと文体は再現できる記事は、7〜9文の見本をそのまま渡すと、AIは文末パターンの比率まで実物に近い値(犬78%・万年筆100%)で再現できると確かめました。ただし、あの記事の見本はどちらも7文以上ありました。
依頼者から渡される見本が、1〜2文しかないこともあります。この記事は、同じ見本を1〜2文に短縮し、同じ条件で再現できるかを実測しました。
- 短縮した見本をそのまま渡して書かせると、比率は29〜30%にしか届きませんでした
- 先に「文体の特徴を箇条書きで挙げて」から書かせる2段階方式にしても、29〜35%とほぼ変わりませんでした
- フル見本(7〜9文)を渡した先行記事の77〜100%から、大きく下がっています
- ただし、比率を「8文中6〜7文」のように数字で指定すると、短い見本のままでも71〜75%まで戻りました
前提
| かかる時間 | 15分 |
| 費用 | 無料。ブラウザのチャットAIで足ります |
| 必要なもの | 自分(または過去のクライアント案件)が書いた、公開してよい過去の原稿 |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
この記事が測ったのは「文体の特徴がどれだけの比率で出力に出たか」という機械で数えられる範囲だけです。見本に使う文章は、自分自身が過去に書いた原稿だけにしてください。
見本の文章を渡すと文体は再現できる記事が使ったフル見本(くだけた猫レビュー9文・硬いシャープペンシルレビュー7文)を、それぞれ先頭2文に短縮して使いました。新しい話題(犬の散歩バッグ・万年筆)も先行記事と同じです。副業のライティング全般はAI原稿の直しを受ける記事も参考にしてください。
AIへの頼み方
1. 短い見本を、そのまま渡す
くだけた文体の見本を、先頭2文だけに短縮して渡しました。
4回試した結果、どの回も対象の文末(「〜んですよね」「〜んです」)が使われたのは最初の1〜2文だけで、残りはふつうの「です・ます」調に戻りました。
| 回 | 文数 | 対象の文末 |
|---|---|---|
| 1回目 | 7文 | 2文(29%) |
| 2回目 | 7文 | 2文(29%) |
| 3回目 | 6文 | 2文(33%) |
| 4回目 | 7文 | 2文(29%) |
合計8/27文(30%)。フル見本(9文)を渡した先行記事の77%から、大きく下がりました。
2. 先に特徴を箇条書きで出させる2段階方式を試す
次に、同じ短い見本から特徴を抽出させ、その特徴どおりに書かせる2段階方式を試しました。
4回とも、「話し言葉に近いくだけた口調」「〜なんですよね、〜たんです」「個人的な体験から入る構成」等の特徴が返りました。続けて、同じ会話で2手目を送ります。
| 回 | 文数 | 対象の文末 |
|---|---|---|
| 1回目 | 9文 | 2文(22%) |
| 2回目 | 7文 | 2文(29%) |
| 3回目 | 6文 | 2文(33%) |
| 4回目 | 6文 | 2文(33%) |
合計8/28文(29%)。単純に書かせた場合(30%)と、ほとんど差がありません。
3. 硬い文体(万年筆)でも、同じ傾向になるか
硬い「である」調の見本でも、同じ2条件を試しました。見本はこちらです。
単純に書かせた4回は、合計6/21文(29%)。2段階方式の指示文はこちらです。
続けて「この特徴どおりに、新商品の『万年筆』のレビュー文を200字程度で書いてください。」と2手目を送ると、4回の合計は9/26文(35%)。単純版(29%)より少し高いものの、フル見本を渡した先行記事の100%には遠く及びません。
なぜ、2段階にしても戻らなかったのか
2段階方式の1手目(特徴の抽出)を見ると、「話し言葉に近いくだけた口調」「〜なんですよね、〜たんです」のように、使うかどうかは正しく言語化されていました。ところが、どの回も「8文中6〜7文程度」のような頻度の情報は出てきませんでした。見本がもともと2文しかないので、頻度を数える材料自体が無いのです。2段階方式は「見本から特徴を言葉にして、その言葉どおりに書く」という構造なので、言葉にできなかった頻度は、2段階目にも引き継がれません。
うまくいかないときの言い直し方
比率を数字で指定すると、短い見本でも戻るか
先行記事で効いた「8文中6〜7文」という数字指定を、短い見本と組み合わせて試しました。
2回試したところ、2回とも実際の本文は8文で、6文が対象の文末(75%)。合計12/16文(75%)です。フル見本を渡した先行記事の数字指定版(74%)とほぼ同じ比率まで戻りました。
硬い文体(万年筆)でも同じ言い方を試しました。
2回とも本文は7文で、5文が対象の文末(71%)。合計10/14文(71%)です。2条件を合わせると、22/30文(73%)まで戻りました。
→ 比率は数字で指定すれば戻りますが、見本に無い特徴そのものは戻りません。先行記事のフル見本には「ちなみに」「そもそも」という接続詞が2回ずつ入っていましたが、1〜2文に短縮した見本にはどちらも入っていません。結果、単純版・2段階版とも4回中4回、「ちなみに」「そもそも」を1回も使いませんでした。数字で指定できるのは、見本の中にすでにある特徴の「頻度」だけです。見本に無い特徴は、指定する数字そのものを立てられません。
応用・次の一手
| 条件 | 犬(対象の文末) | 万年筆(対象の文末) |
|---|---|---|
| フル見本(7〜9文・先行記事) | 77%(27/35) | 100%(28/28) |
| 短い見本(1〜2文)・単純 | 30%(8/27) | 29%(6/21) |
| 短い見本(1〜2文)・2段階 | 29%(8/28) | 35%(9/26) |
| 短い見本(1〜2文)+比率を数字で指定 | 75%(12/16) | 71%(10/14) |
見本が短いときは、2段階方式より比率の数字指定のほうが効きます。短い見本しか手に入らない場合は、次の順番がおすすめです。
- 短い見本から、使われている文末・接続詞の種類だけを確認する(頻度は見本からは分からないと割り切る)
- 頻度は「8文中6〜7文」のように、自分で決めた数字を指示文に足す
- 本当にその頻度が自然かどうかは、依頼者に過去の長めの原稿を1本もらえないか聞くのが一番確実です
副業のライティングで文体を扱う他の記事として、誤字と冗長さだけ直させて言い回しには触らせない記事も参考にしてください。
⚠️ この結果は、架空のブログレビュー2種・計26回の実測です。「短い見本では必ず再現できない」と一般化しないでください。試したのは、次の範囲までです。
- 見本は2文に短縮した版のみ。1文だけに短縮した場合は試していません
- 新しい話題は先行記事と同じ2つ(犬の散歩バッグ・万年筆)だけです
- 比率の数字指定は、短い見本と組み合わせた場合のみ。見本なし・言葉だけの説明との組み合わせは試していません
今回の生の返りと機械照合は docs/evidence/short-sample-still-misses-the-style-ratio.md に全文置いてあります。