これで何ができるか
結論を先に書きます。
| 見本の長さ | 単純に書かせる | 比率を数字で指定する |
|---|---|---|
| フル見本(7〜9文・先行記事) | 87%(55/63) | — |
| 2文見本(短い見本記事) | 29%(14/48) | 73%(22/30) |
| 1文見本(この記事) | 29%(7/24) | 73%(22/30) |
見本を2文からさらに1文まで削っても、比率はもう下がりませんでした。素朴に書かせた比率は犬23%・万年筆36%(合計29%)で、2文見本の29%とほぼ同じです。比率を「8文中6〜7文」のように数字で指定すると、1文の見本のままで犬75%・万年筆71%(合計73%)まで戻りました。これも2文見本の73%と同じ値です。
「1文しかない見本は、もう手の打ちようがない」という心配は、この結果では当たりません。比率を数字で指定する工夫は、見本が2文のときと同じだけ効きました。
短い見本では文体再現が弱まる記事は、見本を7〜9文から2文に削ると比率が29〜35%まで落ちると確かめました。あの記事自身が「1文だけに短縮した場合は試していません」と宿題を残していました。この記事はその宿題を実測しました。
前提
| かかる時間 | 15分 |
| 費用 | 無料。ブラウザのチャットAIで足ります |
| 必要なもの | 自分(または過去のクライアント案件)が書いた、公開してよい過去の原稿。1文だけでも試せます |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
この記事が測ったのは「文体の特徴がどれだけの比率で出力に出たか」という機械で数えられる範囲だけです。見本に使う文章は、自分自身が過去に書いた原稿だけにしてください。
見本の文章を渡すと文体は再現できる記事が使ったフル見本(くだけた猫レビュー9文・硬いシャープペンシルレビュー7文)を、さらに先頭1文だけに短縮して使いました。新しい話題(犬の散歩バッグ・万年筆)も先行記事と同じです。
AIへの頼み方
1. 1文だけの見本を、そのまま渡す
くだけた文体の見本を、先頭1文だけに短縮して渡しました。
3回試した結果、どの回も対象の文末(「〜んですよね」「〜んです」)が使われたのは最初の1文だけで、残りは「です・ます」調に戻りました。
| 回 | 文数 | 対象の文末 |
|---|---|---|
| 1回目 | 4文 | 1文(25%) |
| 2回目 | 4文 | 1文(25%) |
| 3回目 | 5文 | 1文(20%) |
合計3/13文(23%)。2文見本を渡した先行記事の30%と、ほぼ同じ比率です。
2. 硬い文体(万年筆)でも、同じ傾向になるか
硬い「である」調の見本も、1文だけに短縮して試しました。
| 回 | 文数 | 対象の文末 |
|---|---|---|
| 1回目 | 3文 | 1文(33%) |
| 2回目 | 5文 | 2文(40%) |
| 3回目 | 3文 | 1文(33%) |
合計4/11文(36%)。2文見本を渡した先行記事の29%より少し高いものの、同じ桁です。犬・万年筆を合わせると、7/24文(29%)で、2文見本の29%と一致しました。
3. 1文の見本から、特徴は言葉にできるか確かめる
比率が落ちる理由を確かめるため、見本から文体の特徴を抽出させてみました。
返りは「口語的な話し言葉のトーン」「〜なんですよね、という終助詞を使う」「共感を誘う語尾」など、使われている語尾の種類は正確に言語化されました。一方で、どの特徴にも「何文中何文」のような頻度の情報は出てきませんでした。見本がもともと1文しかないので、頻度を数える材料自体がないのです。
4. AIに「見本が短いときのコツ」を直接聞いてみる
ここまでの実測とは別に、工夫そのものをAIに聞けば核心に届くかも確かめました。
2回試したところ、どちらも「2段階方式で特徴を抽出する」「文体チェックリストを作る」「見本を何度も再提示する」など複数の工夫が返りました。ところが2回とも、「語尾の頻度を自分で決めた数字にして指示に足す」という、この記事で実際に効いた工夫は出てきませんでした。AIに工夫を聞くだけでは、効く言い方そのものには辿り着けませんでした。
うまくいかないときの言い直し方
比率を数字で指定すると、1文の見本でも戻るか
先行記事で効いた「8文中6〜7文」という数字指定を、1文見本と組み合わせて試しました。
2回試したところ、2回とも実際の本文は8文で、6文が対象の文末(75%)。合計12/16文(75%)です。2文見本を渡した先行記事の75%と、同じ比率です。
硬い文体(万年筆)でも同じ言い方を試しました。
2回とも本文は7文で、5文が対象の文末(71%)。合計10/14文(71%)です。2条件を合わせると、22/30文(73%)まで戻りました。この73%は、2文見本を渡した先行記事とまったく同じ値です。
→ 見本が1文しかなくても、比率を数字で指定する工夫は2文のときと同じだけ効きます。見本の長さを気にするより、頻度を自分で決めた数字にして指示文に足すほうが確実です。
応用・次の一手
| 条件 | 犬(対象の文末) | 万年筆(対象の文末) |
|---|---|---|
| フル見本(7〜9文・先行記事) | 77%(27/35) | 100%(28/28) |
| 2文見本・単純(短い見本記事) | 30%(8/27) | 29%(6/21) |
| 1文見本・単純(この記事) | 23%(3/13) | 36%(4/11) |
| 2文見本+比率指定(短い見本記事) | 75%(12/16) | 71%(10/14) |
| 1文見本+比率指定(この記事) | 75%(12/16) | 71%(10/14) |
見本が短いときに使う順番は、短い見本記事と変わりません。
- 短い見本(1文でも2文でも)から、使われている文末・接続詞の種類だけを確認する
- 頻度は「8文中6〜7文」のように、自分で決めた数字を指示文に足す
- AIに「コツ」を聞いても、この数字指定という工夫は自分からは出てきません。自分で足す必要があります
- 本当にその頻度が自然かどうかは、依頼者に過去の長めの原稿を1本もらえないか聞くのが一番確実です
長い見本・複数見本を渡した場合の結果は長い見本・複数見本の記事に、副業のライティングで文体を扱う他の記事は誤字と冗長さだけ直させて言い回しには触らせない記事にまとめています。
⚠️ この結果は、架空のブログレビュー2種・計24回の実測です。「見本は1文まで削っても必ず大丈夫」と一般化しないでください。試したのは、次の範囲までです。
- 見本は1文に短縮した版のみです。文そのものが極端に短い・長い場合は試していません
- 新しい話題は先行記事と同じ2つ(犬の散歩バッグ・万年筆)だけです
- 比率の数字指定は、1文見本と組み合わせた場合のみ試しました
今回の生の返りと機械照合は docs/evidence/one-sentence-sample-still-hits-the-named-ratio.md に全文置いてあります。