これで何ができるか
クラウドソーシングで「AI感をなくして人間らしく」と求められたとき、文末表現の不自然な繰り返しが、素朴な頼み方だけで直るかを実測しました。以前の記事は、禁止語リストを含む下書きで「文末3回以上禁止」という機械的ルールの効果を測りました。ところが禁止語の除去だけで文末の繰り返しがほぼ消えてしまい、ルールの上乗せ効果を検出できませんでした。今回は、禁止語を1つも含まない材料で、同じ疑問をもう一度測り直しました。
架空の下書き2本(在宅勤務の朝習慣・観葉植物の手入れ)に、文末表現「〜のです」を4回連続で仕込みました。どちらも禁止語13種は含んでいません。素朴に「人間らしく書き直して」と頼んだ計6回(2本×3回)は、6回とも文末の3回以上連続が解消しました。「3回以上連続で使わないでください」という一文を足した6回も、結果は同じでした。
念のため、箇条書き形式の材料でも試しましたが、結果は変わりませんでした。
前提
| かかる時間 | 15分 |
| 費用 | 無料。ブラウザのチャットAIで足ります |
| 必要なもの | 直したい文章(下書き)1本 |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
発注者の原稿や実在の人物が書いた文章は、そのまま貼らないでください。この記事は架空の下書きを使っています。実在の人物・団体とは関係ありません。
この記事は先行記事の続編です。先行記事は禁止語13種を含む下書きで実測しています。「禁止語リストを渡すと体感8割のAI臭が消える」という言い方の実際の効き目(9割強から10割を埋める程度)を確かめた記事です。AI生成文章の校正・修正という副業区分については別の記事、発注前の内容確認は発注書どおりに検品する記事も参考にしてください。
AIへの頼み方
1. 在宅勤務の下書きで、素朴に人間らしく書き直す
典型的なAI臭い構造として、同じ文末表現が連続する下書きを用意しました。禁止語は入れていません。
上に続けて、「〜のです」で終わる文が4回連続する下書き(在宅勤務の朝習慣・約200字)を貼ります。
3回とも、文末の3回以上連続は解消しました。文末の変え方は回ごとに違いました。
- 1回目:「気づきました」「〜浴びる」「〜向かう」「〜始める」と変化
- 2回目:「のだ」という別の文末に統一
- 3回目:「気づきました」から始めて、以降の文末を散らす
2. 観葉植物の下書きでも、同じ指示文を試す
観葉植物の下書き(別の材料・「〜のです」が4回連続)でも、3回とも文末の3回以上連続が解消しました。地の文2種×3回=6回とも、素朴な指示だけで3回以上連続が残った回は0件です。
なぜ、禁止語が無くても消えるのか
「人間らしく書き直して」という指示は、語句だけでなく文の構造そのものを組み替える指示だと考えられます。先行記事は「禁止語の除去がついでに文末の繰り返しも解消していた」可能性を残していました。しかし禁止語を1つも含まない今回の材料でも、同じ結果になりました。つまり、文末の繰り返しが消えるのは禁止語除去の副産物ではなく、「人間らしく書き直す」という指示そのものが持つ効果だとみられます。
うまくいかないときの言い直し方
「3回以上禁止」を明記すると、素朴な指示と違いが出るか
機械的なルールを明記した場合と比べました。
在宅勤務の下書きで3回試しました。3回とも文末の3回以上連続は解消し、素朴な指示と同じ結果でした。
同じ指示文を、観葉植物の下書きでも3回試しました。
こちらも3回とも解消しました。地の文2種×3回=6回とも、「3回以上禁止」を明記した版は素朴な版(指示文1・2)とまったく同じ結果(3回以上連続0件)です。
禁止語を完全に取り除いた材料でも、「3回以上連続を禁じる」という機械的ルールの上乗せ効果は確認できませんでした。先行記事は「禁止語の除去と一緒だと天井効果で検出できないのでは」という疑問を残していました。今回の結果は、「禁止語が無くても同じ天井に達する」という形でその疑問に答えたことになります。
箇条書き形式でも、同じ結果になるか
地の文ではなく、番号付きの箇条書き形式でも試しました。
「〜してください」で終わる文が4回連続する、退勤前のToDoリスト(箇条書き形式)を貼りました。3回とも、文末の3回以上連続は解消しました。
- 1回目:箇条書きをやめて地の文に組み替え
- 2回目:箇条書きの形を保ったまま、文末を「〜ておいて」「〜帰ろう」のように変化
-
3回目:箇条書きをやめて地の文に組み替え
-
箇条書きのまま直す場合も、地の文に組み替える場合も、どちらも文末の反復は崩れていました
- 形式(地の文か箇条書きか)を指定しなかったため、AIが形式ごと変えてしまう場合があります。形式を保ったまま直したいときは「箇条書きの形は変えずに」のように指定してください
応用・次の一手
この実測の範囲では、文末の繰り返しだけが心配なら、禁止語リストや「3回以上禁止」という一文を用意する必要はなさそうです。「人間らしく書き直して」という素朴な一言で、地の文でも箇条書きでも解消しました。
それでも繰り返しが残ってしまった場合の確認の仕方も聞きました。
返ってきた案の中で実用的だったのは、「音読して引っかかる箇所を探す」「文末だけを縦に並べて目で確認する」の2つでした。読み上げたときに単調に感じる・文末だけを抜き出して並べると同じ語尾が並んでいるのが見える、という視点です。
同じ検品の副業で、禁止語リストそのものの効き方は先行記事に、発注前の内容確認は発注書どおりに検品する記事にまとめています。
⚠️ この結果は、架空の下書き3本(地の文2本・箇条書き1本)・計15回での実測です。「文末の繰り返しは絶対に消える」と一般化しないでください。試したのは、次の範囲までです。
- 文末表現は「〜のです」「〜ください」の2種のみ。他の文末表現は試していません
- 連続回数は4回のみ。5回以上の極端な繰り返しは試していません
- 判定は文字列照合のみ。読んだときの印象(単調さ)そのものは機械で判定していません
今回の生の返りは docs/evidence/rewrite-clears-sentence-ending-repeats.md に全文置いてあります。