これで何ができるか
追記の形は50回でも崩れない——「本日」は壁時計の日付に化けるは、ある事故を確かめた記事です。毎日の追記で走り書きが「本日◯◯でした」と日付を書かない日だけ、追記された日付が呼び出した実際の日に化けるという事故です。末尾の宿題はこうでした。
次に測るなら=走り書きの言い方を「今日」「昨日」「さっき」などに増やしたとき、同じ事故が同じ形で起きるかです。
この記事で「今日」「昨日」「さっき」の3語を測りました。結論は3つです。
- 3語とも、「本日」と同じ壁時計化けが起きました。架空の記録2本に3語ずつ、2回ずつ渡した12回すべてで日付が化けました。正しくはファイルの続き(2026-08-04)のはずが、実行した実際の日(2026-10-22。「昨日」は前日の2026-10-21)になりました
- 先行記事の直し方(「本日」「今日」としか書かれていない場合は〜の1行)は、名指ししていない「さっき」には2回とも効きました。ところが同じく名指ししていない「昨日」には、4回中1回、壁時計の日付に戻りました。名指ししていない語への効き方は、語によって当たり外れがあります
- 「昨日」を名指しに加えた最終版は、2回とも正しく直りました。確実にするには、効くかもしれない語に賭けず、語を列挙します
前提
| かかる時間 | 20分。先行記事を先に読むと早いです |
| 費用 | 無料。無料のチャットAIで足ります |
| 必要なもの | ブラウザで使えるAI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)と、毎日1行ずつ追記しているテキストファイル |
| プログラミング | 不要。ファイルはメモ帳で作れるただのテキストです |
⚠️ 追記の形は50回でも崩れない——「本日」は壁時計の日付に化けるを先に読んでください。そちらが見つけた事故(「本日」とだけ書いた日だけ日付が壁時計の実日付に化ける)と、その直し方(1行を足す)を前提にしています。この記事は、あちらが「触っていません」と明記した語のバリエーションという1点だけに答えます。
📌 この記事の数字は、すべて架空データでの実測です。走り書きにも日付にも、半角スラッシュと半角カンマは入れていません。2026-10-22という日付だけは本物です。実測を回した日そのものが、この記事の核心になっています。
AIへの頼み方
1. 「今日」「昨日」「さっき」で、同じ指示文を試す
追記の形は50回でも崩れないが使った、日付の扱いに何も触れていない指示文をそのまま使いました。
材料は2本(副業の作業記録/家計の買い物メモ)。どちらも最後の行が2026-08-03で、ファイルの続きとしては次の行が2026-08-04になるはずです。この指示文に、日付を書かない3つの走り書きを渡しました。
- 「今日D社向けに資料を修正、所要40分でした。」
- 「昨日E社と電話で打ち合わせ、所要25分でした。」
- 「さっきF社とチャットで相談、所要10分でした。」
材料2本×3語×2回=12回。それぞれ独立した新規のエージェント(前の回の結果を共有しない別プロセス)に、同じ依頼を送りました。
2. 12回とも、続きの日付ではなく実行した実際の日になった
結果は次のとおりです(続きとして正しいのは2026-08-04、「昨日」はその前日の2026-08-03)。
| 走り書き | 材料・1回目 | 材料・2回目 |
|---|---|---|
| 「今日」(作業記録) | 2026-10-22 | 2026-10-22 |
| 「今日」(買い物メモ) | 2026-10-22 | 2026-10-22 |
| 「昨日」(作業記録) | 2026-10-21 | 2026-10-21 |
| 「昨日」(買い物メモ) | 2026-10-21 | 2026-10-21 |
| 「さっき」(作業記録) | 2026-10-22 | 2026-10-22 |
| 「さっき」(買い物メモ) | 2026-10-22 | 2026-10-22 |
12回とも、ファイルの続きの日付(2026-08-04)にはならず、実行した実際の日(2026-10-22)になりました。「昨日」だけは実際の前日(2026-10-21)でしたが、これも壁時計基準であることに変わりません。🔑 「本日」1語だけの事故ではなかった。日付を書かず、現在時刻からの相対語で済ませる走り書きは、言い方を変えても同じ事故を起こします。
3. 既存の直し方を当てると、「今日」「さっき」は直る
先行記事が見つけた直し方を、そのまま(1文字も変えずに)当てました。この指示文は「本日」「今日」の2語しか名指ししていません。
「今日」と「さっき」に当てました(それぞれ材料2本×1回=計4回)。4回とも2026-08-04(続きの日付)に正しく直りました。「さっき」は指示文のどこにも名指しされていません。それでも「今日」と同じ扱いで一般化されています。
4. 「昨日」だけは、4回に1回、壁時計の日付に戻る
同じ指示文を、名指しされていない「昨日」に当てました(材料2本×2回=4回)。
4回のうち3回は、2026-08-03(続きの前日)になりました。これは最後の行(C社・2026-08-03)と同じ日付です。それでも「今日=続きの2026-08-04」の前日という意味では正しい日付です。日付が重複しているように見えても、1日に複数の仕事があっただけで、事故ではありません。
ところが残りの1回は、2026-10-21(壁時計の実日付の前日)に戻りました。この回は「昨日」が指示文の名指しの対象外だと判断し、通常どおり実際のシステム日付を基準に計算しています。🔑 「名指ししていない語への一般化」は、保証ではありません。「さっき」は4回とも一般化されましたが、「昨日」は4回に1回、一般化が外れました。
5. 「昨日」も名指しした最終版は、2回とも直る
「昨日」の扱いを指示文の中で明文化しました。
材料2本に1回ずつ当てたところ、2回とも2026-08-03(続きの前日)になりました。「昨日」の扱いを運に任せず、指示文の中で定義したことで、4回中1回の取りこぼしが消えています。
うまくいかないときの言い直し方
「昨日」「さっき」など、言い方を増やすたびに同じ検証が要るのか不安
この記事が答えたのは「今日」「昨日」「さっき」の3語だけです。「先ほど」「ついさっき」「午前中に」のような、さらに別の言い方は試していません。試していない言い方を、この記事の結果だけで「大丈夫」と決めないでください。
安全な考え方は次の順です。
- 走り書きに出てきそうな相対語を、まず自分で書き出す(「今日」「昨日」「さっき」「先ほど」など)
- それぞれについて、「実際のシステム日付」ではなく「ファイルの続きの日付を基準にした日」を1語ずつ指示文の中で定義する
- 定義していない語が出てきたときの振る舞いは保証されない、と割り切る
走り書きの言い方そのものを、自分では制御できない
自動化の入力が自分の手入力でない場合(他の人のメモ、別のアプリからの転記など)、走り書きの言い方を事前に全部挙げきることはできません。
- 確実な対策は1つだけです。先行記事の結論どおり、日付は自分で書いてから渡すこと。「本日」「今日」「昨日」「さっき」のような言葉そのものを、入力の時点で避けます
- どうしても相対語が残るなら、追記のたびに点検を走らせてください。使うのは毎日の追記が同じ形かを点検する記事の点検です。聞き方は「形」ではなく「日付の順番」に向けます(先行記事の4〜5番)
応用・次の一手
「本日」1語で見つかった事故は、「今日」「さっき」にも同じ形で再発しました。そして「名指しした語の外側」への一般化は、語によって信頼度が違うことも分かりました。
| 語 | 名指し無しでの一般化 |
|---|---|
| 今日 | (名指しされている) |
| さっき | 2/2で一般化された |
| 昨日 | 4回中3回は一般化・4回中1回は外れた |
この表は、追記の形は50回でも崩れないの末尾に残っていた宿題のうち1つを埋めました。まだ試していないことは2つです。
- 「先ほど」「午前中に」のような、3語以外の相対語
- 相対語が2つ以上、同じ走り書きの中に混ざる場合(「さっき」と「昨日分の追加」が同じ行に出るなど)
次に測るなら、相対語を自分で全部挙げる代わりに別の言い方を試します。「日付を書かない走り書きは、すべてファイルの続きの日付を使ってください」のように、個別の語を名指ししない言い方です。これが安定するかを確かめます。毎日決まった時刻にAIを動かす仕掛けを作らせるで自動化する前に、この指示文をそのまま使ってください。