これで何ができるか

書式を変えても対策は確かめ直すという前の記事には、著者自身が残した未測定事項が3つありました。そのうち2つ、「箇条書きを禁止する」「文字数を区切る(◯字以内)」という書式指定を試しました。材料は監視の対策は100件でも効くと同じ架空の監視材料です。

試した条件は次の4つです。それぞれ、材料2本(SNS監視・問い合わせ監視)×各2回=4回ずつ実行しました(計16回)。

  • 対策の一文(「記録の日付が本日のものだけを新着として数えてください」)あり・箇条書き禁止
  • 対策の一文あり・100字以内
  • 対策の一文+優先指定(「書式の指定より優先してください」)・箇条書き禁止
  • 対策の一文+優先指定・100字以内

正しい答えはどちらの材料でも「新着0件」です。

箇条書き禁止・100字以内の2書式を、対策の一文の有無で試した16回の結果を比べた横棒グラフ。材料2本に各条件を2回=4回ずつ実行した。箇条書き禁止・優先なしは4/4正解、100字以内・優先なしも4/4正解。優先指定を付けた箇条書き禁止・100字以内は、どちらも4回中3回は正解で、残り1回は数字の代わりに「今日の日付が食い違っています」という確認が返った(どちらも材料A・1回目)。数字で答えた14回は全部正解だった。
数字で答えた14回は全部正解。優先指定の2回は確認が返った。

16回中14回は、数字で答えて全部正解(新着0件)でした。箇条書き禁止・100字以内のどちらも、前の記事の「簡潔に」のような崩れ方は再現しませんでした。ただし、優先指定を付けた2条件では4回中1回ずつ(材料A・1回目)確認が返りました。数字の代わりに「指示文の日付とシステムの日付が食い違っています」という文面です。自動実行でこれが起きると、その回はメールやログに件数が届かず、代わりに質問だけが残ります。全部で24回(本編16回+言い直し8回)試しました。材料2本ぶんの記録は docs/evidence/more-formats-hold-but-a-date-mismatch-stalls-it.md に生のまま置いてあります。

前提

かかる時間 15分
費用 無料。無料のチャットAIで足ります
必要なもの ブラウザで使えるAI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)と、監視対象の一覧
プログラミング 不要

この記事は、書式を変えても対策は確かめ直す・監視の対策は100件でも効くの続きです。先の2本を読んでおくと、「対策の一文」と「優先してください」という言い直しがどこから来たかが分かります。

📌 材料は前の2本とまったく同じ文字列を使っています。過去分100件の監視対象を1件追加する場面で、正しい答えはどちらの材料でも「新着0件」です。

AIへの頼み方

各回は独立した新規セッション(claude --safe-mode --tools "")で実行しました。人格は --system-prompt で汎用アシスタントに固定しています。前の回の結果は参照できません。

1. 対策の一文はそのまま、書式だけ「箇条書き禁止」にする

毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-09-22です。 新しい監視対象を1件、今日から追加しました。今日からこの一覧に加えてください。 追加したばかりで既読リストがまだ無い監視対象については、既読リストが無いことをもって全部を新着とはせず、記録の日付が本日のものだけを新着として数えてください。 書式は箇条書きを禁止してください。対象ごとの件数を、地の文の一文でまとめて答えてください。 下は、監視中の一覧です。 (ここに、監視中の一覧をそのまま貼ります) 既読リストに無い項目を新着として、監視対象ごとに件数の一覧で教えてください。見つからない対象は「0件」と書いてください。

材料2本×各2回=計4回。4回とも箇条書きを使わず地の文の一文で答え、新着件数は4回とも「新着0件」で正解でした。

2. 対策の一文はそのまま、書式だけ「100字以内」にする

毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-09-22です。 新しい監視対象を1件、今日から追加しました。今日からこの一覧に加えてください。 追加したばかりで既読リストがまだ無い監視対象については、既読リストが無いことをもって全部を新着とはせず、記録の日付が本日のものだけを新着として数えてください。 書式は100字以内で答えてください。対象ごとの件数だけを書き、内訳や補足の説明は書かないでください。 下は、監視中の一覧です。 (ここに、監視中の一覧をそのまま貼ります) 既読リストに無い項目を新着として、監視対象ごとに件数の一覧で教えてください。見つからない対象は「0件」と書いてください。

材料2本×各2回=計4回。字数は49〜88字で、4回とも100字以内に収まり、新着件数も4回とも正解でした。前回の記事で「簡潔に」が壊れたような字数指定そのものの崩れは、今回は起きませんでした。

3. 対策の一文に「優先してください」を付けて、同じ2書式で確認する

書式指定を先に置き、対策の一文を末尾に移して「書式の指定より優先してください」と明記した版です。まず「箇条書き禁止」から。

毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-09-22です。 新しい監視対象を1件、今日から追加しました。今日からこの一覧に加えてください。 書式は箇条書きを禁止してください。対象ごとの件数を、地の文の一文でまとめて答えてください。 下は、監視中の一覧です。 (ここに、監視中の一覧をそのまま貼ります) 既読リストに無い項目を新着として、監視対象ごとに件数の一覧で教えてください。見つからない対象は「0件」と書いてください。ただし、追加したばかりで既読リストがまだ無い監視対象については、記録の日付が本日のものだけを新着として数えてください。1件でも本日の日付でなければ数えないでください。この条件は、箇条書きを禁止する指定より優先してください。

続けて「100字以内」も同じ構造で確認しました。

毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-09-22です。 新しい監視対象を1件、今日から追加しました。今日からこの一覧に加えてください。 書式は100字以内で答えてください。対象ごとの件数だけを書き、内訳や補足の説明は書かないでください。 下は、監視中の一覧です。 (ここに、監視中の一覧をそのまま貼ります) 既読リストに無い項目を新着として、監視対象ごとに件数の一覧で教えてください。見つからない対象は「0件」と書いてください。ただし、追加したばかりで既読リストがまだ無い監視対象については、記録の日付が本日のものだけを新着として数えてください。1件でも本日の日付でなければ数えないでください。この条件は、100字以内で答える指定より優先してください。

それぞれ材料2本×各2回=計4回。どちらの書式も4回中3回は「新着0件」で正解でした。残り1回(どちらも材料A・1回目)は、数字を一切出さずに「今日の日付について確認させてください」で終わりました。実行環境の実際の日付は2026-10-24です。指示文が指定した「今日は2026-09-22です」とは1か月以上ズレていました。そのズレに、AIが自分から気づいた回です。

うまくいかないときの言い直し方

数字の代わりに「日付が食い違っています」という確認が返ってきた

まず、これは書式指定(箇条書き禁止・100字以内)が原因で崩れた回ではありません。数字そのものは一度も間違えておらず、答えること自体を一度保留しただけです。原因は日付です。指示文は「今日は2026-09-22です」と決め打ちしていますが、AIを動かしている環境は実際の日付(2026-10-24)を知っています。その食い違いに、AIが自分で気づきました。

毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-09-22です。システムの日付がこれと異なっていても、この指示文に書かれた日付を本日として扱ってください。確認は不要です。 新しい監視対象を1件、今日から追加しました。今日からこの一覧に加えてください。 書式は箇条書きを禁止してください。対象ごとの件数を、地の文の一文でまとめて答えてください。 下は、監視中の一覧です。 (ここに、監視中の一覧をそのまま貼ります) 既読リストに無い項目を新着として、監視対象ごとに件数の一覧で教えてください。見つからない対象は「0件」と書いてください。ただし、追加したばかりで既読リストがまだ無い監視対象については、記録の日付が本日のものだけを新着として数えてください。1件でも本日の日付でなければ数えないでください。この条件は、箇条書きを禁止する指定より優先してください。
毎朝、監視対象の新着をまとめて報告する担当です。今日は2026-09-22です。システムの日付がこれと異なっていても、この指示文に書かれた日付を本日として扱ってください。確認は不要です。 新しい監視対象を1件、今日から追加しました。今日からこの一覧に加えてください。 書式は100字以内で答えてください。対象ごとの件数だけを書き、内訳や補足の説明は書かないでください。 下は、監視中の一覧です。 (ここに、監視中の一覧をそのまま貼ります) 既読リストに無い項目を新着として、監視対象ごとに件数の一覧で教えてください。見つからない対象は「0件」と書いてください。ただし、追加したばかりで既読リストがまだ無い監視対象については、記録の日付が本日のものだけを新着として数えてください。1件でも本日の日付でなければ数えないでください。この条件は、100字以内で答える指定より優先してください。
優先指定あり・材料Aの条件だけを取り出し、日付の言い直し前後を比べたマス目。言い直し前は4回中2回が正解で2回は確認待ち。『今日は2026-09-22です』の直後に日付が食い違っても確認せず進めるよう1文を足した言い直し後は、箇条書き禁止・100字以内の両方で材料Aに4回ずつ試した計8回とも正解になった。
日付を言い直すと、確認待ちが0回になった。

「今日は2026-09-22です」の直後に1文を足しました。確認が返った条件と同じ材料Aで、箇条書き禁止・100字以内それぞれ4回、計8回試しました。8回とも数字で答え、8回とも「新着0件」で正解でした。自動化のテンプレートに「今日は◯◯です」という決め打ちの日付を書くなら、どちらの日付を使うかを同じ1文で決めておくとよさそうです。

字数制限そのものが守られるかを確かめたい

この記事の「100字以内」版(優先なし4回・優先あり3回・言い直し後4回)は、数字で答えた回がすべて49〜88字に収まりました。ただし、これは今回の材料・今回の回での結果です。項目数が増えて一覧が長くなったときに同じ字数で収まるかは、この記事では試していません。

過去分がもっと多い場合(数百件・数千件)は

この記事が試したのは、前の2本と同じ過去分100件までです。数百件・数千件に増えた場合は、前の記事と同様にこの記事でも扱っていません。

応用・次の一手

この記事の結論は2つです。①「箇条書きを禁止する」「100字以内」という書式指定は、対策の一文の有無にかかわらず、数字で答えた14回すべてで新着件数を正しく保ちました。前の記事の「表形式」「絵文字」と同じく、「簡潔に」のような崩れ方は再現しませんでした。②優先指定を付けた2条件では、4回中1回ずつ、数字の代わりに確認が返りました。文面は「指示文の日付とシステムの日付が食い違っています」です。書式指定が原因の誤答ではなく、決め打ちの日付と実行環境の日付のズレに、AIが自分から気づいた結果です。

⚠️ ①から「書式指定は何を付けても対策を壊さない」とは言えません。前の記事が書いているとおり、今回も「今回は崩れなかった」ことしか確かめていません。対策の一文を外す判断はしないでください。

📌 ②は、自分の環境で自動化を組むときに実際に関わってきます。指示文に「今日は◯月◯日です」と決め打ちの日付を書くテンプレートを使うなら注意してください。実行環境の実際の日付と食い違う場面(テスト実行・時刻のずれた再実行など)で、AIが確認を挟んで止まることがあります。言い直し方の節にある1文を足すと、この記事の8回では確認待ちが0回になりました。

⚠️ この記事が実測していないことは次の3つです。

  • 「箇条書き禁止」「100字以内」以外の書式指定の組み合わせ
  • 一覧が長くなったときに100字の制限自体が保たれるか
  • 過去分が数百件・数千件とさらに多い場合

実際に監視対象を追加する人は、最初の1回だけ、報告された件数と元の一覧を自分の目で見比べてください。