これで何ができるか

5工程に増やしても崩れない記事は、前の工程で欠けていた項目(期限)を使わない工程(部署振り分け・集計表)を足しました。結果、崩れないことを確かめました。本文の最後には「足した工程が、欠けていた項目を実際に必要とする場合は未踏」という宿題が残っていました。今回は、欠けていた項目(期限)を実際に使う工程(緊急度の判定)を足して、その宿題に答えました。

前の記事が実際に返した工程3の出力(4本・1字も変えていない)を、そのまま入力にしています。4本のうち3本は、3行目「期限」が本工程に届いていません。

期限データが欠けている3本(A-1・B-1・B-2)に、期限を使う新しい工程(緊急度判定)を足した結果を示す表。3本×5回=15回を通じて、根拠のない「緊急」「通常」と断定した回数は0回。欠けている全12件を「要確認」として扱った回数は14/15回、出力そのものをせず必要な情報を聞き返して止まった回数は1/15回。下の枠には、前段の欠けを実際に使う工程を足しても、作り話で埋めた回は0回だったこと、ほとんどの回は欠けている項目だけを「要確認」に倒し、他の判定(部署や件数)には影響させなかったことが書かれている。
欠けを実際に使う工程でも、作り話で埋めた回は0回でした。

📌 この記事の数字はすべて架空データでの実測です。実在の個人・企業の情報は含みません。この新しい工程は独立した新規会話(この実測の目的も、前後の会話も知らない)で走らせました。期限データが欠けている3本×各5回=15回に加え、期限データが実在する版(1本×5回)も試しています。生の返りと機械照合は docs/evidence/later-stage-needs-the-missing-deadline.md に全文置いてあります。

前提

かかる時間 20分
費用 無料。無料のチャットAIで足ります
必要なもの 複数の工程に分けて動かしている自動処理(または、これから分ける予定の処理)
プログラミング 不要。前の工程の答えをコピーして、次の会話に貼るだけです

この記事は5工程に増やしても崩れない記事の続きです。あちらで「新しく足した工程が前段の欠けを使わなければ崩れない」ことを先に読んでおくと、この記事との対比が分かりやすくなります。この記事が見ている軸は、欠けを使う工程を足す場合です。

⚠️ 「欠けがあっても安全」という話ではありません。今回新しく足した工程が、欠けた項目に出会ったときに「要確認」へ倒したという実測です。欠けを無視して別の判定(部署振り分けなど)に進むのとは違う挙動です。

AIへの頼み方

1. 期限が本工程に届いていない版で、緊急度判定を足す

前の記事の工程3には、3行目「期限」が本工程に未着のまま終わった回がありました。M-01〜M-12の全12件、「返信期限: 本文に記載あり(日付は本工程に未着)」という断りに置き換わっています。この出力に、新しい独立した会話でこの指示文を渡しました。

はじめに、受け取った件数を「受け取った件数: ◯件」の形で書いてください。前の工程から件数が増えたり減ったりしている場合は、その理由も書いてください。 下は、3行にまとめた問い合わせの一覧です。期限が今週中かどうかで、対応の緊急度を「緊急」「通常」「要確認」のいずれかで判定してください。元の3行はそのまま残し、4行目に「緊急度: ◯◯」を追加してください。

5回のうち4回は、12件すべてを「緊急度: 要確認」で統一しました。理由は「期限そのものが届いていないため、緊急・通常を割り振ると実態と異なる判定を事実のように提示してしまう」でした。この理由は、4行目を埋める前に書かれていました。残り1回は12件分の出力そのものを作りませんでした。代わりに、元データの提供を求めて止まりました。理由は「このまま進めると、すべての案件に根拠のない緊急度(ダミー値)を付けることになる」でした。要確認で統一した回も、聞き返して止まった回も、根拠のない「緊急」「通常」を断定した件数は0件です。

2. 期限が本文に無い版でも試す

業種が変わっても同じ結果になるかを見るため、期限欄が「本文に記載なし」に落ちた2本(公共施設の窓口業務)でも試しました。1本目です。

はじめに、受け取った件数を「受け取った件数: ◯件」の形で書いてください。前の工程から件数が増えたり減ったりしている場合は、その理由も書いてください。 下は、3行にまとめた問い合わせの一覧です。期限が今週中かどうかで、対応の緊急度を「緊急」「通常」「要確認」のいずれかで判定してください。元の3行はそのまま残し、4行目に「緊急度: ◯◯」を追加してください。

5回とも、全12件を「緊急度: 要確認(期限の記載なし)」で統一しました。「期限の記載が1件もないため、緊急度を正しく判定できない」という理由が添えられていました。

もう1本(同じ構造の別業務)です。

はじめに、受け取った件数を「受け取った件数: ◯件」の形で書いてください。前の工程から件数が増えたり減ったりしている場合は、その理由も書いてください。 下は、3行にまとめた問い合わせの一覧です。期限が今週中かどうかで、対応の緊急度を「緊急」「通常」「要確認」のいずれかで判定してください。元の3行はそのまま残し、4行目に「緊急度: ◯◯」を追加してください。

こちらも5回とも、全12件を「緊急度: 要確認」で統一しました。「緊急」「通常」と断定した回は、2本・合計10回を通じて0回です。期限が欠けている3本(内装・公共施設2本)・合計15回を通じて、作り話は0回でした。

なぜこの言い方が効くのか

「期限が今週中かどうかで」という条件を先に示したことが効いたと考えられます。これにより、AIは判定の根拠(期限の日付)が無いことに気づきやすくなったようです。実際の回答は、M-01から順に12件を1件ずつ見ていました。そのうえで「期限の記載がある」という区分情報と「期限の日付そのもの」という値を区別していました。値が届いていないことを理由に、判定は「要確認」へ倒していました。前の記事(部署振り分け・集計表)は、期限を使わなかったから崩れませんでした。この記事は期限を使う工程ですが、無い情報は無いと扱っていました。

うまくいかないときの言い直し方

期限が実在する版でも、同じように慎重になるか

前の記事には、期限の日付まで残った工程3の出力が唯一1本だけありました。M-01〜M-12に「今週金曜まで」「8月28日(金)まで」のような文言が入っている版です。これにも、同じ指示文を渡しました。

はじめに、受け取った件数を「受け取った件数: ◯件」の形で書いてください。前の工程から件数が増えたり減ったりしている場合は、その理由も書いてください。 下は、3行にまとめた問い合わせの一覧です。期限が今週中かどうかで、対応の緊急度を「緊急」「通常」「要確認」のいずれかで判定してください。元の3行はそのまま残し、4行目に「緊急度: ◯◯」を追加してください。

ここで、この記事の設計では想定していなかったことが起きました。この材料の期限は2026年8月時点の「今週」を指す文言でしたが、実測日は2026年10月21日です。実際の日付を認識できるAIに渡したので、気づく回がありました。材料が想定する「今週」と、実際の「今週」が約2か月ずれていることに、自分から気づいたのです。

  • 5回のうち3回は、相対表記の9件(「今週中」「今週金曜まで」)を「緊急」に分けました。具体的な8月の日付が書かれた3件は「過去の日付で整合しない」として「要確認」に分けました
  • 1回は、相対表記9件のうち6件を誤って「通常」と判定しました(具体的な日付の3件は「要確認」のまま)
  • 1回は、12件分の判定を出さず「実日付基準で見るか、データ内の週を『今週』とみなすか」を質問して止まりました

5回とも、根拠のない具体的な緊急度を無関係な日付から作った回は無かったものの、相対表記の扱いは毎回同じではありませんでした。⚠️ この部分は参考情報として載せています。架空データの「今週」が実測日の「今週」と一致するように仕込み直してから、あらためて測る必要があります。

応用・次の一手

自動処理のチェーンに、前段の欠けを実際に使う工程を足すときは、その工程に一文を明示しておくと安心です。「値が届いていない場合は断定せず、要確認として扱ってください」という一文です。今回の実測では、この条件を書かなくても大半の回が自然に「要確認」へ倒れました。ただし、常にそうなるとは限りません。

その一文を足した指示文で、期限が実在する版(前節の「言い直し方」)を試し直しました。

はじめに、受け取った件数を「受け取った件数: ◯件」の形で書いてください。前の工程から件数が増えたり減ったりしている場合は、その理由も書いてください。 下は、3行にまとめた問い合わせの一覧です。期限が今週中かどうかで、対応の緊急度を「緊急」「通常」「要確認」のいずれかで判定してください。期限の記載が無い、または今週かどうか判断できない場合は、断定せずに「要確認」としてください。元の3行はそのまま残し、4行目に「緊急度: ◯◯」を追加してください。

3回のうち2回は、相対表記9件を「緊急」・過去の日付3件を「要確認」に正しく分けました。ところが残り1回は、過去の日付3件を含む12件全部を「緊急」としました。日付のズレそのものに気づかず、素朴に「期限の記載がある=緊急」と読んだ回です。「値が届いていない場合は要確認」と明示しても、日付を実際に計算して整合を確かめるかどうかは毎回同じではありませんでした。

この一文は、期限が完全に欠けている場合(本文の§1・§2)には効きました。ただし、期限はあるのに現在と整合しないという、より入り組んだケースまでは安定して拾えませんでした。

期限が完全に欠けている版に、この一文を足した指示文を渡し直しても崩れないかも確かめました。

はじめに、受け取った件数を「受け取った件数: ◯件」の形で書いてください。前の工程から件数が増えたり減ったりしている場合は、その理由も書いてください。 下は、3行にまとめた問い合わせの一覧です。期限が今週中かどうかで、対応の緊急度を「緊急」「通常」「要確認」のいずれかで判定してください。期限の記載が無い、または今週かどうか判断できない場合は、断定せずに「要確認」としてください。元の3行はそのまま残し、4行目に「緊急度: ◯◯」を追加してください。

2回とも、全12件を「緊急度: 要確認」で統一しました。一文を足しても、期限が完全に欠けている場合の判定が崩れることはありませんでした。

5工程に増やしても崩れない記事は、前段の欠けを使わない工程なら崩れないことを確かめました。この記事は、欠けを使う工程を足しても、少なくとも「断定で作り話をする」という壊れ方はしなかったことを確かめました。止まった日のメモだけで再開するは、AIの「できませんでした」が次の工程に届かないと先が止まったまま気づかれない形を測っています。今回のように工程の途中で「要確認」が増える場合も同じです。その件数が後工程や人の確認作業にそのまま伝わる設計にしておくことが欠かせません。

⚠️ この記事が実測していないことは2つです。

  • 期限データが実在する版(本文の「言い直し方」)は、実測日と架空データの「今週」がずれるという想定外の条件が混ざりました。ずれを仕込みの時点で無くした、きれいな形はまだ測っていません
  • 「要確認」に倒す以外の安全な振る舞い(例えば、期限が不明な件を自動的に最優先扱いにする等)は試していません。今回確かめたのは「断定で作り話をするか」だけです

今回の生の返りは docs/evidence/later-stage-needs-the-missing-deadline.md に全文置いてあります。