これで何ができるか
ランサーズの案件でAI利用の可否をAIに聞くと、単純な「禁止です」「問題ありません」にはなりませんでした。架空のロゴデザイン募集文を、コンペ方式とプロジェクト方式の2パターンで用意しました。AI利用についての記載は一切入れていません。それぞれ5回ずつ、計10回聞きました。
- 単純に「禁止/問題ありません」と断定した回——10回中0回。10回とも「書かれていないので確認を」という結論でした
- ランサーズの実際の「選べる」制度に自分から触れた回——10回中0回
- 「原文のまま抜き出して」と言い直した回——3回とも規約への言及自体が消えました
- 制度の有無を直接尋ねた回——3回中3回、正確さは不確かながら実際の仕組みに近い内容が出てきました
「知らないから答えない」のではありません。同じ知識について制度の有無を直接尋ねると、3回とも近い内容が出てきました。AIは、募集文の可否を聞かれた場面では、この知識を使いませんでした。
既存の2本があります。案件のAI利用ルールを確かめるはクラウドワークスで、案件のAI利用ルールを、別サイト名でも確かめるはココナラで実測しました。どちらも「実名を出すと、書かれていない規約を自分から語り出す」現象を確かめています。この記事はランサーズという第3のプラットフォームで同じ聞き方を試しました。ところが、規約を語り出す現象そのものが起きませんでした。理由と、その代わりに見つかったことを、このあとに書きます。
前提
| かかる時間 | 15分 |
| 費用 | 無料。ブラウザのチャットAIで足ります |
| 必要なもの | 特にありません |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
実在の募集文・実在の依頼者名は貼らないでください。この記事は架空のブランド名・金額を使っています。実在の人物・団体とは関係ありません。
AIへの頼み方
1. コンペ方式の募集文で、素朴に聞く
架空のロゴデザイン募集文(依頼形式=コンペ方式)を用意しました。AI利用についての記載は一切入れていません。
上に続けて、募集文を貼ります。
5回とも「記載が無いので判断できない」という結論でした。「使ってよいとは判断できません」「応募前に依頼者へ確認するのが確実です」のように、確認を促す形です。3回は「コンペ方式です」と、募集文の項目をそのまま言い直しました。ですが、ランサーズが実際に持つ「使用許可・制限を選べる」機能や【AIで生成】ラベルには、5回とも1件も触れませんでした。
2. 同じ聞き方を、プロジェクト方式の募集文でも試す
契約形式の1行だけを「プロジェクト方式」に差し替えた募集文で、同じ実験をしました。
こちらも5回とも「記載が無いので確認を」という結論でした。コンペ方式版との違いは、募集文自身の項目名の言い直し(「コンペ方式です」)が出なかったことだけです。実際の仕組みを示す語は、コンペ方式・プロジェクト方式を合わせた10回中0回でした。
うまくいかないときの言い直し方
原文だけを聞きたいとき
「コンペ方式」という募集文自身の語を繰り返した回が3回ありました。原文だけを答えさせる言い直しでも、同じように止まるかを確かめました。
3回とも「AI利用に触れている文は募集文の中にありません」と答えました。募集文自身の項目名への言い直しも含めて、規約への言及が消えています。既存記事で確かめた「原文のまま抜き出して」という言い直しは、プラットフォームが変わっても効きました。崩れ方の種類が変わっても、同じように効きました。
制度そのものを直接尋ねてみると
「自分からは言及しない」ことは「知らない」ことと同じでしょうか。募集文を見せず、制度の有無だけを直接尋ねました。
3回とも、実際の制度に近い内容を自分から答えました。「発注者が案件ごとに使用を許可する/制限するを選べる仕組みがある」という内容です。正確さは不確かで、選択肢の名称や導入時期は「正確には覚えていません」と3回とも断っています。募集文の可否を聞かれた場面では10回中0回だった同じ知識が、制度の有無を直接尋ねると3回中3回出てきました。知らないのではなく、その場面で使わなかっただけです。
応用・次の一手
10回の返りのうち複数が「応募前に依頼者へ確認を」と自分から提案していました。その確認文をAIに作らせられるかも試しました。
2回とも、そのまま送れる丁寧な質問文ができました。募集文に無い規約を捏造した箇所はありません。
毎回同じ確認を忘れないようにするなら、手順にしておくと安心です。
2回とも、次の骨格が共通していました。
- 募集文自体をまず読む
- プラットフォームの規約も確認する
- 曖昧なら応募前に質問する
- 回答を記録に残す
- 記録をもとに応募するか判断する
⚠️ この結果は、この1種類の業務(ロゴデザイン)・合計20回の実測です。「AIはランサーズの規約を絶対に語らない」と一般化しないでください。試したのは、次の範囲までです。
- 業務はロゴデザインのみ(デザイン・ライティング以外のカテゴリは試していません)
- 募集文にAI利用の記載が無い場合だけ(明記がある場合は既存記事の型に戻ります)
- 制度の有無を直接尋ねた3回も、正確さまでは検証していません(選択肢の名称や導入時期は不確か)
ランサーズの制度そのものが今も同じ内容かは、応募のたびに公式ヘルプで確認してください (制度は2024年3月時点のプレスリリースが根拠で、更新されている可能性があります)。
今回の生の返りは docs/evidence/lancers-ai-policy-needs-confirmation.md に全文置いてあります。