これで何ができるか

週報を毎週金曜に自動で作らせるで分かったのは、 「自分の残業、先月より増えている」のような自分用のメモが、何もしないと上司への相談事項として 報告書に書かれてしまうことでした。対策は「禁止の一文」と「行き先(5. 私が決める行)」の両方 でしたが、著者自身がこう書き残していました。「禁止だけを渡した形は、今回は試していません。 ここで言えるのは、行き先を作った側では、その行が残った、ということまでです」。

測りました。行き先を作らず、禁止の一文だけを足した指示文で、同じ3週連鎖(週2→週3→週4) を2回試しました。

条件 週3「体調不良で半休」 週4「残業が増えている」
禁止なし(元の指示文) 本文にそのまま書かれた 本文にそのまま書かれた
禁止だけ・行き先なし 跡形もなく消えた 跡形もなく消えた
禁止+行き先あり 「5.」に残った 「5.」に残った
3つの指示文(禁止なし・禁止だけで行き先なし・禁止と行き先の両方あり)で、仕込んだ2つの禁句(週3の体調不良による半休・週4の残業の増加)が最終的にどこへ行ったかを示す図。禁止なしの元の指示文では、週3の体調不良も週4の残業も本文の見出しにそのまま書かれた。禁止だけで行き先が無い指示文では、週3の体調不良も週4の残業も、本文のどこにも書かれず跡形もなく消えた。禁止と行き先の両方がある指示文では、週3の体調不良も週4の残業も「5. 私が決める行」に残った。材料2本×各2回、各条件4回ずつ試し、4回とも同じ結果だった。
禁止だけで「漏れ」は止まった。かわりに、その行自体が消えた。

禁止の一文だけでも、週をまたいで3週とも本文への漏れは止まりました。仕込んだ禁句2件 ×2回=4件は、4件とも本文の見出しに現れませんでした。ただし行き先が無いぶん、 その行自体が週報のどこにも残らず、跡形もなく消えました。

前提

かかる時間 25分
費用 無料
必要なもの 走り書きのメモを1か所に書き溜めていること
プログラミング 不要

📌 この記事は前作の未測定事項への回答です。 材料(週1の人の週報・週2〜4のメモ)はすべて前作からそのまま流用しています。 前作の指示文2・3(禁止+行き先あり)、手動版の作り方は週報を前回のぶんを型にして書かせる にあります。

AIへの頼み方

1. 禁止の一文だけを足し、行き先は作らない

前作の指示文3から、最後の「5. 私が決める行」を作る一文だけを抜きました。他は1文字も変えて いません。

毎週金曜の朝に自動で走らせています。下の見出しだけを使って、今週のメモから週報を作ってください。他の見出しを足さないでください。 ・メモに書いていないことは書かないでください。進み具合・割合・見通しを補わないでください。 ・メモの行が「まだ終わっていない」「返事がない」「決まっていない」と読めるものは、進んだように書き換えないでください。 ・自分の体調・残業・待遇・人への不満にあたる行は、どの見出しにも入れないでください。出すかどうかは私が決めます。 ・材料が無い見出しは「なし」とだけ書いてください。 前置き・感想は書かないでください。

このあとに「見出し」(1〜4の空の見出し)と「先週の週報」「今週のメモ」を貼ります。週2は 第1週(人が書いた週報)を型にします。中身の短い週2はそのまま載せます。

=== 見出し === ## 1. 今週やったこと ## 2. 進んでいないこと ## 3. 来週やること ## 4. 相談したいこと === 先週の週報 === ## 1. 今週やったこと - A社向けの見積書を作成し、部長の確認を受けたうえで送付しました。 - 在庫システムの入替について、情報システム部と初回の打ち合わせを実施しました。 - 月次の請求処理を予定どおり完了しました。 ## 2. 進んでいないこと - B社の値引き要請について、社内の判断を待っている状況です。 ## 3. 来週やること - A社からの返答を確認します。 - 入替の日程案を作成します。 ## 4. 相談したいこと - B社の値引きをどこまで受けるか、方針をご相談させてください。 === 今週のメモ === ・A社 返事なし 先方の担当が出張らしい ・B社 値引きの件 まだ返事もらえてない こちらから催促した ・入替の日程案 11月4日の週で出した ・棚卸しと重なるかも 総務に確認中 ・研修 2回だと足りない 3回にするか未定 ・見積の版が古かった 240万で出してたが最新は280万 差し替えた ・情シスの担当が誰か確定してない ・請求書のフォーマット変更 来月から 周知まだ ・月曜の会議 資料は自分が作る

週3・週4は、前の週の実際の返りを型にします(モデルの出力は回によって多少違うため、 ここだけプレースホルダで示します)。

=== 見出し === ## 1. 今週やったこと ## 2. 進んでいないこと ## 3. 来週やること ## 4. 相談したいこと === 先週の週報 === (ここに、前の週の実際の返りをそのまま貼ります) === 今週のメモ === (ここに、今週のメモをそのまま貼ります)

2回の連鎖(各3週)で、週3のメモにある「木曜 体調不良で半日休んだ」も、週4のメモにある 「自分の残業 先月より増えている」も、本文の1〜4のどこにも現れませんでした。仕込んだ 禁句2件×2回=4件は、4件とも本文への漏れが0件でした。

2. ただし、消えた行は週報のどこにも残らない

ここが前作の指示文3と違うところです。行き先(5.)を作っていないので、禁止された行は 本文からも、どこからも消えます。

毎週金曜の朝に自動で走らせています。下の見出しだけを使って、今週のメモから週報を作ってください。他の見出しを足さないでください。 ・メモに書いていないことは書かないでください。進み具合・割合・見通しを補わないでください。 ・メモの行が「まだ終わっていない」「返事がない」「決まっていない」と読めるものは、進んだように書き換えないでください。 ・自分の体調・残業・待遇・人への不満にあたる行は、どの見出しにも入れないでください。出すかどうかは私が決めます。 ・材料が無い見出しは「なし」とだけ書いてください。 前置き・感想は書かないでください。 === 見出し === ## 1. 今週やったこと ## 2. 進んでいないこと ## 3. 来週やること ## 4. 相談したいこと === 先週の週報 === (ここに、週3の実際の返りをそのまま貼ります) === 今週のメモ === (ここに、週4のメモをそのまま貼ります)

返ってきた週報を最後まで読んでも、「残業」にあたる記述は1文字もありません。本文の見出し 1〜4のどこにも入らず、本文の外にも注記は付きません。ファイルを開くだけでは、禁止された 行があったこと自体に気づけません。

3. 比べるために、行き先ありの指示文もこの晩にあらためて試す

同じ週3の実返りを型にして、今度は行き先(5. 私が決める行)を復活させた指示文を試しました。

毎週金曜の朝に自動で走らせています。下の見出しだけを使って、今週のメモから週報を作ってください。他の見出しを足さないでください。 ・メモに書いていないことは書かないでください。進み具合・割合・見通しを補わないでください。 ・メモの行が「まだ終わっていない」「返事がない」「決まっていない」と読めるものは、進んだように書き換えないでください。 ・自分の体調・残業・待遇・人への不満にあたる行は、どの見出しにも入れないでください。出すかどうかは私が決めます。 ・材料が無い見出しは「なし」とだけ書いてください。 ・最後に「## 5. 私が決める行」を作り、どの見出しにも入れなかった行を、メモの言葉のまま1行ずつ全部並べてください。1行も無ければ「なし」と書いてください。 前置き・感想は書かないでください。

同じ上流(週3の実返り)・同じ週4のメモで、行き先ありの版は2回とも「5. 私が決める行」に 「自分の残業 先月より増えている」をそのまま残しました。週3の「体調不良」も、同じやり方 で2回とも「5.」に残りました。違いは行き先の一文があるかどうかだけです。

消えた行を「メモと週報を並べて、どこにも無い行を挙げて」という指示文で見つけられるかを実測した結果を示す表。週3の「体調不良」を正しく挙げられたかは2回中2回、週4の「残業」を正しく挙げられたかも2回中2回で、どちらも全部成功した。下の枠には、禁止だけの指示文で消えた行は、別の会話でメモと週報を並べて聞き直すと4回とも過不足なく1件だけ見つかったこと、消えたことに気づく手段はあるが自分から使わない限り気づけないことが書かれている。
消えた行は、聞き直せば見つかる。問題は、聞き直すかどうか。

4. 消えた行を、別の会話で見つけ出す

週報とメモを並べて、どこにも入っていない行を挙げさせます。

下に「今週のメモ」と「出来上がった週報」を並べます。メモにある行のうち、週報のどの見出しにも入っていない行を、メモの言葉のまま1行ずつそのまま挙げてください。1件も無ければ「なし」とだけ書いてください。 === 今週のメモ === (ここに、その週のメモをそのまま貼ります) === 出来上がった週報 === (ここに、出来上がった週報をそのまま貼ります)

週3・週4それぞれ2回、計4回試しました。4回とも、消えていた禁句1件だけを過不足なく 挙げました。他のメモの行を誤って「無い」と言った回は0件です。消えたことに気づく 手段はあります。使うかどうかは別です。

うまくいかないときの言い直し方

禁止だけで十分だと思っていたら、大事な行が消えていた

この実測の範囲では、禁止の一文は本文への漏れを止めるには十分でした。問題は「止まったこと」 ではなく「止めた行の記録が残らないこと」です。自分で読み返すつもりの行 (体調・残業など)を禁止するなら、行き先も必ず一緒に作ってください。前作の指示文3 がその形です。

もう何週か、行き先なしで回してしまった

過去の週報を直す必要はありません。この記事の指示文4を、気になる週のメモと週報のペアに 当ててください。消えていた行があれば、1行ずつそのまま返ってきます。来週からは行き先 入りの指示文に切り替えてください。

行き先を作ると、本文の見出しまで変わってしまわないか心配

心配いりません。今回の実測では、行き先の有無で1〜4の中身が変わることはなく、違いは 「5.」が存在するかどうかだけでした。1〜4に書かれた文は、行き先ありと行き先なしで実質 同じでした。

応用・次の一手

この記事の結論は2つです。①禁止の一文だけでも、3週をまたいで本文への漏れは止まります。 ②ただし行き先が無いと、禁止された行はどこにも残らず消えます。消えたことに自分で気づく 仕組みが別に要ります。

📌 「禁止だけでよいか、行き先も要るか」の分かれ目は、その行を後で読み返したいかどうかです。 読み返す必要が無い雑音(例: 挨拶文、定型句)なら禁止だけで十分です。前作 の「自分の残業」のように、自分で見る場所が要るものには行き先を作ってください。

📌 消えたことへの気づき方は自動化が静かに壊れたのを、AIに見つけさせる と同じ発想です。あちらは仕組みが止まったことに気づく話、こちらは仕組みは動いているのに、 特定の行だけが静かに消える話です。

⚠️ この記事が実測していないこと=3週より長い連鎖、禁止対象が3つ以上に増えた場合、 禁止の一文を削った影響が週を追うごとに悪化するかどうかの3つです。今回は4件とも1週目 から消えており、進行の有無を観察できる材料がありませんでした。