何が変わったか

Anthropicは2026年7月9日、Reflectというベータ機能を発表しました(出典: https://www.anthropic.com/news/reflect-with-claude)。自分がClaudeをどう使っているかを、レポートの形で振り返れる機能です。公式ページに書かれていることだけを並べます。

  • 過去1・3・6・12ヶ月の利用を選んで振り返れます。よく出てきた話題・使い方のパターン・取り組んだタスクの種類がまとまったレポートが出てきます(出典: 同上)。
  • 対象はメモリ機能をオンにしている、Free・Pro・Maxのユーザーです(出典: 同上。原文: “Free, Pro, and Max users who have memory turned on”)。
  • レポートは「AI Fluency Framework」という4つの観点(委任・説明・識別・勤勉)でAIとの関わり方を整理すると説明されています(出典: 同上)。

先に断っておきます。この記事は運営者が実際にReflectを使った記録ではありません。発表ページに書かれていることを読んで整理したものです。「便利だった」「見やすかった」といった使用感は一切書いていません。

使い始め方も書かれています。Claudeの設定(Settings)から「reflect on your usage」を選ぶと、レポートが生成されます。ウェブ版とデスクトップアプリの両方で使えます(出典: 同上)。

何を4つの軸でみるか

発表ページは、レポートが軸にする4つの観点を「AI Fluency Framework」として挙げています。英語の名称と、その説明文をそのまま日本語にしました。

Reflectのレポートが軸にする4つの観点を示した図。①委任(Delegation)=目標を決め、AIにどう関わるか・そもそも関わるかを判断すること。②説明(Description)=AIから役に立つ働きを引き出せるよう、目標を的確に言葉にすること。③識別(Discernment)=AIの出力がどれだけ役に立つかを、正確に見極めること。④勤勉(Diligence)=AIを使って行ったことに、自分で責任を持つこと。下の枠には、4つとも使い方の質の観点であり、性能や料金の比較軸ではないことが書かれている。
4つとも「使い方の質」の観点です

この4つは、モデルの性能や料金を測る物差しではありません。「AIにどう関わっているか」という、使う側の姿勢を振り返るための軸です。レポートには、それぞれの観点でどう関わってきたかの実例や、改善のための具体的な提案(たとえば、都度説明し直すのではなくプロジェクトを始める、といった提案)が含まれると説明されています(出典: 同上)。

プライバシーはどう設計されているか

自分のチャット履歴を材料にする機能なので、何が使われて何が使われないかは重要な点です。発表ページには、この境目がはっきり書かれています。

レポートに使われる会話と、使われない会話を対比した図。使われるのは通常のチャット履歴(過去1〜12ヶ月)と、使い方のパターン・取り組んだタスクの種類の分類。使われないのはシークレットチャットと、健康連携ツールに繋がった会話(完全に除外)。下の枠には、設計にMIT Media LabのAHAプログラムとボストン小児病院のDigital Wellness Labが協力したと説明されていること、対象はメモリ機能をオンにしたFree・Pro・Maxのユーザーであることが書かれている。
健康に関わる会話は、完全に除外されています

シークレットチャットはレポートの材料に含まれません(出典: 同上。原文: “Your reflection doesn't draw from incognito chats”)。また、Slackやドライブなどの接続ツールを使っていても、その先にあるファイル本体は取得しないと説明されています(出典: 同上)。

いちばん踏み込んだ配慮は健康関連です。健康連携ツールに繋がった会話は、完全に除外されると明記されています(出典: 同上。原文: “any conversation connected to a health integration tool is left out”)。設計にあたっては、MIT Media LabのAHA(Advancing Humans with AI)プログラムと、ボストン小児病院のDigital Wellness Labが協力したと書かれています(出典: 同上)。

他社との比較

この記事の型では、他社の同等機能と数字を突き合わせます。今回はその比較ができませんでした。理由を正直に書きます。

  • OpenAIの個人向け利用状況の分析機能に関連すると思われるヘルプページ(help.openai.com)は、この記事を書いた環境からは403でした。URLが正しく現存するかどうかも含めて確認できていません。
  • Googleの管理者向けGemini利用レポートに関連すると思われるヘルプページ(knowledge.workspace.google.com)は、CONNECT tunnel failed で止まりました。この環境の許可リストによる経路の遮断です。

つまり、自分自身の利用を振り返るという同じ土俵の機能を、他社の公式ページの記述で突き合わせることが、この環境からはできませんでした。二次情報(まとめ記事や個人ブログ)の記述を写すことはしないので、この記事では比較を保留にしています。

いま使える範囲、まだ来ていない範囲

ベータ版なので、発表時点で「できること」と「まだできないこと」が分かれています。発表ページの本文が明記している2点をそのまま図にしました。

いま使える機能と、まだ来ていない機能を対比した図。いま使える(ベータ)のは、設定のreflect on your usageからレポートを作成できること、過去1・3・6・12ヶ月の振り返り、quiet hoursの設定と休憩の通知(nudge)。まだ来ていない(soon)のは、使った時間(time spent)の表示と、Coworkの会話の振り返りの2点で、本文にそう明記されている。下の警告枠には、発表ページにTeam・Enterpriseプランについての記載がないことが書かれている。
「使った時間」と「Coworkの振り返り」は、まだ来ていません

「使った時間(time spent)」の表示は、まだ実装されていません(出典: 同上。原文: “Soon, we'll add a view of how much time you've spent using Claude.”)。いま見られるのは話題やタスクの分類であって、時間そのものではありません。

Coworkでの会話も、いまはレポートの対象外です(出典: 同上。原文: “Reflecting on your Cowork conversations will be available soon.”)。Coworkを主に使っている人は、振り返りの材料にCowork分の履歴が含まれない点に注意が必要です。

quiet hours(静かな時間帯の設定)や、一定時間使ったら休憩を促す通知(nudge)の設定もできると説明されています(出典: 同上。原文: “you can also set quiet hours or schedule a nudge to take a break from using Claude after a certain amount of time.”)。使い方を眺めるだけでなく、使う量そのものを調整する機能も併設されている形です。

発表ページに、Team・Enterpriseプランについての記載はありません。書かれているのはFree・Pro・Maxの3プランだけです(出典: 同上)。会社支給のアカウントがTeamまたはEnterpriseプランの場合、この記事の元になった発表ページからは、Reflectが使えるかどうか分かりません。同じ理由で、モバイルアプリで使えるかどうかについても、発表ページに記載はありません。

どういう人に効くか

いま動かしてみるといい人

  • Free・Pro・Maxのいずれかを契約していて、メモリ機能をすでにオンにしている人。追加の申し込みなしに、設定からすぐ試せます。
  • 「AIに頼みすぎていないか」「同じ説明を毎回繰り返していないか」を、感覚ではなく振り返りたい人。

急がなくていい人

  • 会社支給のTeam・Enterpriseプランを使っている人。発表ページに記載がなく、この記事では対象かどうか確認できません。
  • メモリ機能をオフにしている人。まずメモリをオンにしないと対象になりません。
  • Coworkでの作業が中心の人。Coworkの会話は、いまのレポートには反映されません。

この記事で分からないこと

実際に生成されるレポートの見た目、日本語での表示、レポート生成にかかる時間。運営者もまだ試していないため、体験としては書けません。

出典一覧

すべて公式ページです。まとめ記事・ニュースサイト・個人ブログは1件も使っていません。

  1. Reflectの発表(Anthropic・2026年7月9日): https://www.anthropic.com/news/reflect-with-claude

OpenAI(help.openai.com)、Google(knowledge.workspace.google.com)の関連ページには、この記事を書いた環境から到達できませんでした。

料金と仕様は変わります。実際に使う前に、必ず上記の公式ページで現在の内容を確認してください。