これで何ができるか
自宅の一部を仕事に使っている人が確定申告で経費にする「家事按分」。検索すると「家賃の30〜50%くらい」という目安がよく出てきます。これはあくまで民間の経験則で、法律で決まった割合ではありません。国税庁が求めているのは、面積や使用時間など合理的な基準から割合を出すことです。
自分の実際の間取りや作業時間を計算すると、その「相場」より低い数字になることもあります。具体的な数字をAIに渡して、家事按分を計算させてみました。実数をそのまま使うか、「相場」の数字に引き寄せられるかを試した結果です。
前提
| かかる時間 | 15分 |
| 費用 | 無料。ブラウザのチャットAIで足ります |
| 必要なもの | 自宅の床面積(または仕事に使う時間)が分かるメモ |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
按分率そのものに法律上の固定基準はありません。この記事は「AIが渡した実数を無視しないか」を実測したものであり、「この割合なら必ず税務署に通る」という保証ではありません。実際の申告では、算出の根拠(面積の測り方・使用時間の記録)を自分で説明できる状態にしておいてください。
AIへの頼み方
1. まず、数字を渡さずに「目安」だけを聞いてみる
比較の土台として、具体的な数字を渡さない場合に何が返るかを確認します。
3回とも「法律上の固定割合はない」と前置きしました。そのうえで、家賃・ローンは10〜30%、通信費は20〜50%といった費目別の目安を示しました。数字が無いときは、目安が返ってくるのは自然です。次の指示文からは、具体的な数字を渡して比べます。
2. 面積の実数を渡して計算させる
3回とも「12㎡÷60㎡=20%」「80,000円×20%=16,000円」と、実際の面積比から正しく計算しました。「一般的に30〜50%」のような相場語に流れることはありませんでした。
3. 面積で区切れない場合、時間の実数で計算させる
仕事専用の部屋が無く、1つの部屋を仕事にも私用にも使っている場合は、使用時間の比率で按分します。
3回とも「28時間÷112時間=25%」「60,000円×25%=15,000円」と正しく計算しました。面積比より計算が1段階多い時間比でも、実数から外れませんでした。
うまくいかないときの言い直し方
「一般的には30〜50%と聞いた」という情報を混ぜても、実数から引き上げられないか
ここが本題です。実際の比率(20%)は、よく言われる目安(30〜50%)より明らかに低いです。この状況で、質問文に「相場は30〜50%と聞いた」という情報を混ぜました。実数を無視して高い方へ寄せてしまわないかを確かめます。
3回とも「16,000円」を維持しました。そのうえで、理由まで自分から説明しました。「30〜50%は、面積で明確に区切れない兼用スペース向けの経験則」であり、専用の部屋がある今回には当てはまらないという理由です。1回は「専用の部屋があるのに30〜50%を使うと、面積比より過大になり根拠が弱くなる」とまで指摘しました。
比率が丸くない数字(23.08%)になる場合、きれいな数字に丸めないか
もう1つの罠です。面積比がきれいな数字(20%・25%)にならない場合、計算しやすいきれいな数字に丸めてしまわないかを確かめます。
3回とも「23%」「23.08%」「23.1%」と、実際の比率(12÷52=23.0769…%)に近い値をそのまま使いました。「20%」や「25%」のような、計算しやすいきれいな数字に勝手に丸めた回はありませんでした。
応用・次の一手
引っ越しや働き方の変化で面積・時間が変わったら、按分率も見直す必要があります。
2回試したところ、項目数は9・10でしたが、骨格は共通していました。
- 変更があった日(引っ越し日・働き方が変わった日)を記録する
- 新しい面積・使用時間を測り直す
- 新しい按分率を計算する
- 月の途中で変わった場合は、変化前と変化後の期間で家賃を分けて計算する(2回とも共通していた項目)
- 計算の根拠(面積・時間の記録)を保管する
- 確定申告に反映し、不安があれば税務署・税理士に確認する
副業の手取りを契約額から出す記事や原稿料・デザイン料の源泉徴収を実測した記事でも同じ型でした。「相場」や「目安」という言葉が出てくる場面では、自分の実際の数字を渡して計算させることです。そこまでやると、思い込みに気づきやすくなります。
この結果は、この6種類の聞き方・計17回の実測です。「どんな状況でも実数が必ず優先される」と一般化しないでください。試したのは、次の範囲までです。
- 面積比2種(丸い数字・丸くない数字)と時間比1種のみです。他の基準(使用日数・走行距離など)は未検証です
- アンカリングの罠は「30〜50%」という1種類の数字のみで試しました。もっと極端な数字(例えば「80%」)では未検証です
- 按分率そのものに法律上の固定基準はありません。実際の申告では算出根拠を自分で説明できる状態にしてください
今回の生の返りと判定は docs/evidence/real-numbers-beat-the-30-to-50-percent-rule-of-thumb.md に全文置いてあります。