これで何ができるか
毎朝の集計は取得失敗を混ぜないは、取得に失敗した日の扱いを確かめた記事です。失敗の日は「取得できませんでした」という注記つきの行で記録していました。注記さえあれば、後段のAIは16回とも0件に混ぜませんでした。
ただし、あの記事は最後に1つの宿題を残していました。失敗の日の行を書かずに、行自体を無くす形だったらどうなるか、です。
この記事はその宿題に答えます。失敗した日は注記も書かず、行そのものを日付ごと丸ごと抜く仕込みにしました。架空の記録2本(18日分・21日分)を用意しました。頼み方5パターン×材料2本×各2回=20回試しています。
分かったことは2つです。
① 20回とも、行が無い日を0件に混ぜませんでした。平均を計算するときも、日付ごとの表に起こすときも、欠番の日付を自分から名指ししました。合計にも日数にも数えていません。何も指示しなくても、記録の行数そのものを分母にしました。
② 実際より多い日数を宣言しても、行数のほうを信じました。「これは18日分の記録です」と宣言しても、記録の行は15行だけです。8回とも、宣言した日数を疑いました。行数を数え直してから計算しています。
ただし1回だけ、別の崩れ方がありました。日付ごとの表に起こした20回のうち1回で、合計の足し算そのものが100件ずれました。正しくは1,677件なのに、1,777件と回答しています。欠番と0件の見分けは正しかったので、この記事の核心には影響しません。対策は「言い直し方」の節に書きます。
前提
| かかる時間 | 15分 |
| 費用 | 無料 |
| 必要なもの | 日付ごとに1行の記録で、取得に失敗した日は行自体を書かない(空欄にも注記にもしない)形になっていること |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
この記事が扱うのは「失敗した日の行をどう書くか」の2通りのうち、まだ試していなかった側だけです。注記を残す書き方は毎朝の集計は取得失敗を混ぜないで確かめ済みです。16回とも混ざりませんでした。この記事は、注記すら残さず行が丸ごと無い場合を確かめます。失敗そのものを検知する側の作り方は自動化が静かに壊れたのを、AIに見つけさせるにあります。
AIへの頼み方
1. まず、日数を言わずに素朴に聞く
材料は、毎朝1行ずつ追記される「お問い合わせフォームの受信件数」です。2026-09-01から09-18までの18日間です。09-05・09-11・09-16の3日分は、行が丸ごとありません。0件の日は09-08・09-13の2日で、こちらは「0件」と明記されています。
【お問い合わせフォーム 受信件数の記録(毎朝の自動集計botが書き足している)】
2026-09-01: 6件
2026-09-02: 9件
2026-09-03: 4件
2026-09-04: 7件
2026-09-06: 11件
2026-09-07: 5件
2026-09-08: 0件
2026-09-09: 8件
2026-09-10: 6件
2026-09-12: 10件
2026-09-13: 0件
2026-09-14: 7件
2026-09-15: 9件
2026-09-17: 5件
2026-09-18: 8件
この記録をまるごと貼って、いちばん素朴な指示文から試しました。
4回とも、記録のある15日分(合計95件)で割った約6.3件/日が返りました。09-05・09-11・09-16の3日は、自分から名指しされています。しかも、欠番と判断した理由も自分から添えていました。もう1本の材料「自動バックアップジョブの正常終了ファイル数」でも、同じ指示文を試しています。こちらも4回とも、記録のある17日分(合計1,677件)で正しく割りました。
なぜこの言い方か。「平均を計算して」「使った日数も書いて」というだけです。欠番の扱いには一切触れていません。日数を自分から書かせると、分母に何を使ったかが答えの中に出ます。暦日全体を使ったのか、記録の行数を使ったのかが分かります。
2. 実際より多い日数を宣言して、分母を誘導してみる
自動化の通知文には「直近18日分」のような決め打ちの説明が付くことがあります。その文面が、そのまま分母を誘導しないか確かめました。
8回とも(材料2本×各2回)、宣言した日数を疑いました。「18日分とのことですが、記録は15行しかありません」と行数を数え直しています。21日分と宣言した材料Bでも、同じように17行しかないと数え直し、記録のある日数で割った値を答えの本体にしました。宣言した日数のほうを信じて、欠番を0件として割った回は1回もありませんでした。
3. 行が無い日は除外してと、念のため明示する
無指定でも崩れませんでしたが、念のため明示する言い方も試しました。
結果は無指定と同じでした。材料2本×各2回の4回とも、同じ日数・同じ平均が返っています。明示してもしなくても、ここまでは差が出ません。
4. 欠番の日数も、日付を挙げて報告させる
自動化に組み込むなら、何日分が欠番だったかが見えたほうが安心です。
欠番の日数(真値3・真値4)も、4回とも正しく挙げました。材料Aは「09-05・09-11・09-16の3日」と答え、材料Bは「09-04・09-10・09-15・09-20の4日」と答えています。個別の日付まで真値と一致しました。毎朝の自動実行に載せるなら、この形が実務向きです。
5. 平均ではなく、日付ごとの表に起こしてみる
ここまでは「平均を計算して」という聞き方でした。日付ごとの表を作らせる、別の作業の形でも同じか確かめました。暦日の範囲を全部埋めようとして、欠番を「0件」の行として生成してしまわないかが心配な点です。
4回とも、欠番の3日は表の中で「記録なし」と書かれました。「0件」の2日(09-08・09-13)とは別枠に分けられています。行がないため取得できなかった可能性がある、という注記も添えられていました。
うまくいかないときの言い直し方
合計を検算させる
日付ごとの表に起こした4回のうち1回で、合計の足し算そのものが崩れました。正しい合計は1,677件です。ところが、1,777件と回答した回が1回ありました。欠番と0件を見分ける判定は正しかったので、これは記事の核心とは別の崩れです。合計を信じて次の処理に渡す前に、検算を頼む言い方を試しました。
2回とも、別の区切りで足し直した合計が一致しました。どちらも正しい1,677件になっています。自動化に組み込むなら、合計という1つの数字をそのまま信じないでください。この一文を添えて検算させるか、合計自体はスクリプト側で計算するほうが確実です。
この結果を「どんな書き方でも必ず正しい」と受け取らない
今回正しく除外できたのは、記録が日付つきだったからです。日付から「09-05が無い」と、暦日を数えて気づける形でした。日付の代わりに連番(1行目・2行目…)だけの記録だったら、欠番に気づく手がかりがそもそもありません。同じ結果になるとは限りません。
また、実測に使ったのはclaude --safe-modeという実測環境1つだけです。この記事の他の実測と同じ環境です。別のAIサービスや、読み込ませ方が変われば、結果が今回と同じとは限りません。
応用・次の一手
この記事の値打ちは、欠番にする形でも安心できると確認できたことです。失敗した日の行を書かない形でも、後段の読み違いを心配しなくてよい場面が1つ増えました。毎朝の集計は取得失敗を混ぜないの「注記を残す」形と合わせて、失敗の記録方法が2通りとも後段の集計で安全だと分かりました。
毎朝ひとりでに回すなら、毎日決まった時刻にAIを動かすの形に載せてください。保存版にするのは、この記事の指示文4(欠番の日数も報告させる版)です。欠番の日数がその場で見えるので、記録がちゃんと積み上がっているかを毎回読まずに確認できます。
失敗そのものの検知は別の話です。自動化が静かに壊れたのを、AIに見つけさせるで検知してから、この記事の形で記録に残してください。
⚠️ 今回試したのは「1本の記録を1回にまとめて読ませる」場合だけです。記録がもっと長期間になった場合や、欠番が連続して何日も続く場合にも同じ結果になるかは、まだ確かめていません。
📌 この記事の実測は、架空の記録2本・全20回です。言い直し方の追加確認2回を含めると全22回です。判定はすべて機械照合で、生の返りは docs/evidence/missing-row-does-not-count-as-zero.md に全文置いてあります。