これで何ができるか
KDP原文を会話の最初の1ターン目だけで貼って引用させても、引用の正確さは変わりませんでした。独立した新規の会話にそれぞれ試した結果です。
- 資料を全部貼って、1ターン目だけで引用させる——4回とも正しい引用・正しい4か国
- 関連部分だけ貼って、1ターン目だけで引用させる——4回とも正しい引用・正しい4か国
- 無関係な情報を混ぜても、1ターン目だけで引用させる——3回とも正しい引用・正しい4か国
- 引用を求めずに、1ターン目だけで聞く——引用を求めずに聞いた3回は、3回中2回が、資料が触れていない範囲を断定で広げました
Kindleの印税を式から出す記事があります。この記事は「資料の該当箇所をそのまま引用してから答えてください」という指示文を試していました。送った先は、資料を貼った会話の3ターン目(前提を積んだ後)です。3回とも原文どおりの引用を得ていました。ただし本文には「これは上の指示文のさらに後(同じ会話の3ターン目)で送っています。単独で送った場合は測っていません」という宿題が残っていました。その宿題を、実際に試したのが今回です。
前提
| かかる時間 | 15分 |
| 費用 | 無料。ブラウザのチャットAIで足ります |
| 必要なもの | 資料(規約・ヘルプページなど)の原文 |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
この記事が引用の正しさを判定する基準にしたのは、KDPヘルプの次の一文です(電子書籍の希望小売価格・2026-08-26確認)。「日本、インド、メキシコ、およびブラジルの読者への販売において 70% のロイヤリティが適用されるには、電子書籍が KDP セレクトに登録されていることが必要です。」正解は、この4か国です。
AIへの頼み方
1. 資料を全部貼って、1ターン目だけで引用させる
既出記事が3ターン目までに積み上げていた資料(35%と70%の選択制・販売地域外の扱い・両方の式・配信コスト・日本の70%条件、計6か所)を、会話の最初の1ターン目だけで貼りました。
4回とも、原文と一字一句一致する引用から、日本・インド・メキシコ・ブラジルの4か国に正しく到達しました。既出記事の3ターン目(3回とも原文どおり)と、同じ正確さです。
2. 関連部分だけ貼って、1ターン目だけで引用させる
今度は6か所のうち、答えに直接関係する1か所だけを貼りました。
こちらも4回とも正しい引用・4か国でした。ただし引用の範囲は回によって割れ、3文すべてを引用したのは1回、残り3回は該当する1文だけを引用しました。3文すべてを引用した回も、該当する1文だけを引用した回も、原文と一致するので、正確さそのものは崩れていません。
うまくいかないときの言い直し方
「そのまま引用してから答えて」を外すと
引用の指示を外し、同じ資料で質問だけを聞きました。
4か国の答え自体は3回とも正しいままでした。変わったのは別のところです。3回中2回は、資料が触れていない範囲(4か国以外では条件になるのか)について、「含まれていない」「条件になっていない」と断定で広げました。残る1回は「資料の記載からは…述べられていません」と、書かれている範囲だけに留めました。引用を求めた3つの聞き方(資料を全部貼る・関連部分だけ貼る・無関係な情報を混ぜる。合計11回)で、この広げすぎが起きたのは2回だけです。引用を求める指示には、答えの範囲を広げすぎない副作用もあるようです。
無関係な情報を混ぜても引用は崩れないか
資料に、質問とは関係のない一文(Kindle Unlimitedの分配の説明)を混ぜて試しました。
3回とも、無関係な一文が引用や回答に混ざることはなく、正しい引用・4か国のままでした。無関係な情報があっても、引用先を見失う様子はありませんでした。
応用・次の一手
資料を貼って質問する頼み方は、テンプレートにしておくと毎回楽です。
2回試したところ、共通していた骨格は次のとおりです。
- 「資料の中だけで答えてください」と最初に書く
- 「資料に無ければ『書かれていません』と答えてください」と断り方を指定する
- 資料の言葉そのまま、または該当箇所を引用して答えるよう求める
- 質問自体も、資料の範囲に合わせて狭く書く
- 答えの根拠にした場所を示すよう求める
毎回コピーして使えるテンプレートも作らせられます。
1回試したところ、「資料だけを根拠に」「引用→結論の順」「書かれていない場合の断り方」まで含むテンプレートができました。これはKindleの印税を式から出す記事が実際に使った「資料に書かれていることだけで答えてください」という受け皿と同じ型です。資料を貼ったら、まずこの形で聞いてください。会話を何ターンも重ねる必要はありません。
⚠️ この結果は、KDPヘルプの1か所・合計17回(応用2回を含む)の実測です。「資料を貼れば1ターン目でも必ず正確」と一般化しないでください。試したのは、次の範囲までです。
- 判定したのは「国名を答えられるか」「引用が原文と一致するか」の2点だけです。価格帯など、この記事で貼っていない数字は試していません
- 資料は1種類(KDPロイヤリティの該当箇所)のみです。もっと長い資料や、複数の論点が絡む資料では未検証です
- 「書かれていない範囲を広げる」傾向は、この1つの質問・この材料だけの観察です。他の資料・他の質問では確かめていません
今回の生の返りは docs/evidence/kdp-quote-first-turn-accuracy.md に全文置いてあります。