これで何ができるか

AIの練習を仕事でやると、うまくなりません。失敗が怖いので、無難な使い方しか試さなくなるからです。

遊びは逆です。変な頼み方をしても誰も困らないので、思いついたことを全部試せます。そして頼み方の上達は、試した回数でほぼ決まります。この記事は「役に立たないけれど面白い」使い方を並べます。結果として、仕事での頼み方も上手くなります。

創作で効く回し方は1つだけ覚えれば十分です。

創作でのAIの使い方2通りを比べた図。上(1回で完成させようとする)=長い注文を書く、1案だけ返ってくる、違うのでまた長い注文、だんだん惜しくなる。下(案を並べさせて選ぶ)=短い注文を書く、5案まとめて返る、良い所を指して選ぶ、選んだ案を伸ばす。
好みは言葉にしにくいものです。並べてもらって指させば、説明せずに伝わります。

前提

かかる時間 10分
費用 無料
必要なもの どのAIでも。写真を使う遊びだけアプリ版が要ります
プログラミング 不要。思いついたことを言うだけです

目的を決めずに始めてかまいません。この記事の使い方に「正解」はありません。

AIへの頼み方

1. まず5案もらう。1案で完成させようとしない

これが創作でいちばん効く型です。

(作りたいものを1〜2行で書く) 完成品ではなく、方向性の違う案を5つ、短く出してください。それぞれ1〜2行で、どこが違うのかが分かるようにしてください。 私が1つ選ぶので、その後で詳しく作ってください。

長い注文を書くより、短い注文で5案もらって選ぶほうが速く着きます。自分の好みは、見るまで自分でも分からないからです。5案は多すぎず少なすぎない数です。3案だと似たものが並び、10案だと選ぶのが仕事になります。

2. 良かった部分を「指して」伸ばす

選んだあとが本番です。全体の感想ではなく、部分を指します。

3番が良いです。特に(具体的にどの部分か)が好みです。 その部分の雰囲気を残したまま、もう少し(どうしたいか)してください。ほかの部分は変えてかまいません。

「いい感じ」「もっと良く」だけだと、前より悪くなって戻れなくなります。良かった箇所を名指しすると、そこは保たれます。

3. 写真に、大げさな説明文を付けさせる

これは笑えるうえに、指示の効き方がよく分かる練習になります。

この写真に説明文を付けてください。同じ写真について、次の3つの調子で書いてください。 ・美術館の解説文のように ・スポーツの実況のように ・古い児童文学のように それぞれ3行くらいでお願いします。

同じ材料で調子だけ変えると、「言い方を指定すると、こんなに変わる」が体で分かります。仕事の文章を書かせるときの精度が上がります。

4. 身内ネタの年表・しおりを作らせる

材料を渡すと、思った以上のものが返ってきます。

家族の思い出を年表にしたいです。覚えていることを順不同で書きます。 (引っ越した年、旅行、ペットが来た日、など思いつくまま) 年ごとに並べ直して、抜けている年があれば「この年の話はありますか」と質問してください。

最後の「質問してください」が効きます。AIに質問させると、自分でも忘れていたことを思い出します

5. 下手でもいい創作の、相談相手にする

批評してもらうのではなく、一緒に考えてもらう頼み方です。

自分で書いた文章を読んでもらいます。うまくないのは承知しています。 直すのではなく、次の2つだけ教えてください。 1. 読んでいて一番面白かった箇所 2. 続きが気になった箇所 書き直しは自分でやりたいので、直した文章は出さないでください。

「直さないで」と言わないと、勝手に書き直されて自分の文章ではなくなります。範囲の区切り方は「ついでに整理しておきました」と言わせない頼み方と同じ考え方です。

うまくいかないときの言い直し方

どれも似たような案しか出てこない

5案とも似ています。もっと振れ幅を大きくしてください。 1案は極端に真面目、1案は極端にふざけた方向、というように、わざとバラバラにしてください。

だんだん無難でつまらなくなってきた

やりとりが長くなると、AIは前の回答に引っ張られます。

ここまでの流れは一度忘れてください。 いまの案を、はじめて見る人として読み直して、面白くない点を正直に言ってください。そのうえで、全く別の方向の案を3つ出してください。

「それはできません」と断られた

内容によっては断られます。まず本当に必要なのがその形かを考え直すのが早道です。

やりたいのは(目的)です。いまの頼み方が難しいなら、目的が達成できる別のやり方を提案してください。

実在の人物や既存の作品をそのまま真似させる形だと断られやすいので、自分の材料に置き換えると通ることが多いです。

面白いのができたのに、次の日に再現できない

いまの結果が気に入りました。同じ雰囲気をもう一度出すための頼み方を、私が保存できる形で書いてください。 何が効いていたのかの説明も付けてください。

「効いた頼み方」は、その場で保存しないと二度と再現できません

応用・次の一手

遊びで身につけた型は、そのまま仕事で効きます。

遊びで覚えたこと 仕事での効き方
5案もらって選ぶ 企画・資料の方向決めが速くなる
良い部分を指して伸ばす 修正の指示が一発で通る
調子を指定する 相手に合わせた文面が書ける
直さないでと言う 自分の成果物が守られる
この1週間、遊びでAIに頼んだことを振り返ります。(やったことを数行) このうち、仕事でも使える頼み方はどれですか。仕事向けに言い換えた例も付けてください。

まずは今日、役に立たないことを1つ頼んでみてください。何を頼めばいいか浮かばなければ、渡せる作業の見つけ方の逆で「絶対に仕事と関係ないこと」を条件にして聞くと出てきます。