これで何ができるか
記事やレポートに図を入れると読みやすくなるので、AIに図解やグラフを作らせたくなります。作ってはくれます。ただしAIの作る図は、それらしく見えて細部が崩れます。文字の上を線が横切る。ラベルが枠からはみ出す。しかも困ったことに、この種の崩れは目視のチェックをすり抜けます。全体の印象を見てしまい、1本の線までは見ないからです。
このサイトの図も全部AIに作らせていますが、崩れた図が公開されたことはありません。人間の目が優秀だからではなく、公開の前に機械の検査を通しているからです。この記事はその検査を「作らせる」頼み方です。
前提
| かかる時間 | 30分 |
| 費用 | 無料 |
| 必要なもの | ファイルを作れるAI(Claude Code など)と、AIに作らせた図(SVG形式) |
| プログラミング | 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです |
図の形式はSVG(文字や線の位置がデータとして残る画像)を前提にします。位置がデータで残っているから、機械で検査できます。
AIへの頼み方
1. 図は「手描き」ではなく「計算」で作らせる
検査の前に、そもそも崩れにくくする頼み方があります。
AIに図を直接書かせると、要素が増えたときに前に置いたものと新しいものが重なります。人間が紙に描くときと同じです。計算で出させれば、項目が増えても配置が自動で追従します。
2. 公開の工程に検査を入れさせる
ここが本体です。検査は「たまに実行するもの」ではなく、公開の通り道に置きます。
この検査が実際に捕まえた崩れがあります。図の副題の文字を、すぐ下の枠の上辺が貫いていました。公開直前まで、人間は誰も気づいていませんでした。検査がビルドを止めて、初めて分かりました。
3. 「誤検知しない側」に倒させる
検査を作らせるとき、精度の方針を先に渡します。
検査の敵は見逃しではなく、狼少年化です。誤検知だらけの検査は必ず無視されるようになり、本物の崩れまで素通りします。見逃し側は、次の手当てがあります。
4. 図を触った日は、実寸で測らせる
推定に頼らない検査を、もう1段だけ足します。毎回ではなく、図を追加・変更した日だけで十分です。
実寸の計測は、推定の検査が見逃した3ピクセルと22ピクセルのはみ出しを実際に捕まえています。「たぶん収まっている」と「測って収まっている」は別物です。この言い分けは「たぶん動きます」と言わせない頼み方と同じ考え方です。
うまくいかないときの言い直し方
検査は通ったのに、図が真っ黒になっていた
実際に起きました。SVGの中で使っている色の名前(class)が、定義の書き忘れで宙に浮き、図全体が真っ黒に塗り潰されたのに、検査は素通りしました。座標の検査は位置しか見ていないからです。真っ黒でも、位置は正しかったのです。
大事なのは考え方のほうです。検査が通った、は「検査が見ている範囲では問題ない」でしかありません。事故が起きたら「なぜ検査が見逃したか」を聞いて、死角を1つずつ検査に変えていきます。
検査が厳しすぎて、毎回止まる
面倒だからと検査を消すのが、一番高くつきます。消した検査は戻ってきません。除外条件を精密にする方向で直させます。
同じ崩れが、別の図でまた出た
1枚ずつ直すと、直し漏れが必ず残ります。直しは「生成する側」に入れて、全部作り直させるのが結局一番速いです。
応用・次の一手
この記事の考え方は図に限りません。「目視では見落とすものを、機械の検査に置き換える」は、AIに作らせるあらゆるものに効きます。
検査が増えるほど、人間の確認は短くなります。このサイトでは、機密の混入・リンク切れ・画像の崩れ・マーカーの使いすぎまで機械が見ていて、人間は「内容が本当か」だけを読んでいます。
図そのものより先に仕組みを整えたい場合は、自動化が静かに壊れたのを、AIに見つけさせるが隣の話題です。