これで何ができるか

前作は、「出典のURLも書いて」と頼むと、返ってきた5件のうち内容まで合っていたのは1件だけだったことを確かめました。この記事で確かめたのは、その作り話を止める言い方です。結論から書きます。

  • ヒントなしで聞く——2回とも出典URLを出し、4件中2件は存在しないページ(404)でした
  • 名前・日付には完全に効いた「自信が持てなければ確認できませんと書いて」を、そのままURL請求に使う——作り話をやめたのは10回中7回。3回はまだ番号を作りました
  • 言い方を強める、またはURLではなくページ名だけを求める——番号の作り話は、合計10回とも0件になりました
  • ただし名前だけ求めても——規定の現行名「量産型のコンテンツ」を答えた回は、8回中0回でした

同じ「分からなければ分からないと書け」という文言でも、名前・日付には完全に効いたのに、URLには7割しか効きません。対象が変わると、同じヒントの効き方も変わります。

架空のチャンネル2種(S2・S4。前作と同一)に、合計22回聞きました。ヒントの言葉や聞き方を6条件に分けて比べています。範囲を聞く質問には効かない「確認できません」が示したのと同じく、「分からなければ分からないと書け」は、何にでも同じ強さで効く魔法の一文ではありません。範囲では0/6・金額の計算では4/4のままだった実測も同じ向きです。

前提

かかる時間 20分
費用 無料。ブラウザのチャットAIで足ります
必要なもの 特にありません
プログラミング 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです

前作と同じ架空のチャンネル2種と、正解の根拠にしたYouTubeヘルプ 「YouTube のチャンネル収益化ポリシー」(https://support.google.com/youtube/answer/1311392?hl=ja・2026-10-03再確認)です。

パターン 説明 正解
S2(AI+テンプレ) AI音声のニュース読み上げスライドショーを、同じテンプレートで大量投稿 収益化の対象外
S4(人間+テンプレ) 本人は出演しているが、毎回ほぼ同じ展開・オチをテンプレートで大量投稿 収益化の対象外

実在の募集文・実在のチャンネル名は貼らないでください。この記事は架空のチャンネル説明を使っています。

AIへの頼み方

1. まず、ヒントなしで出典URLも聞く

次のチャンネルは、YouTubeパートナープログラムで収益化できますか。理由と、判断の根拠にしたページのURLも書いてください。 (ここにチャンネルの説明を貼る)

S2に2回試しました。2回とも、URLは1件ではなく2件返ってきました。どちらの回も、1件目は正しいURL(answer/1311392)でしたが、2件目はどちらも存在しないページ(404)でした。

回 1件目 2件目
1回目 answer/1311392(✅実在・内容一致) answer/9890533(❌404)
2回目 answer/1311392(✅実在・内容一致) answer/12267041(❌404)

判定(収益化できるか)は2回とも正解でした。URLを出すこと自体は、ヒントが無ければ毎回起こり、しかもその半分は存在しないページでした。

2. 名前・日付に完全に効いたヒントを、そのままURL請求に使う

前作の指示文5(「規定の正式名称や改定時期について自信が持てない場合は、無理に断定せず『確認できません』とだけ書いてください」)は、名前と日付の作り話を2回とも完全に止めました。同じ考え方の一文を、URL請求にそのまま足します。

次のチャンネルは、YouTubeパートナープログラムで収益化できますか。理由と、判断の根拠にしたページのURLも書いてください。URLに自信が持てない場合は、無理に作らず「確認できません」とだけ書いてください。 (ここにチャンネルの説明を貼る)

S2・S4に5回ずつ、計10回試しました。「確認できません」で止まったのは7回。残り3回は、ヒントがあるのにURLを出しました。

出典URLを求めたとき、ヒントの有無に関わらず実際に出てきたURL番号7件の内訳を示す図。①answer/1311392(指示文1・ヒントなし)は実在し、量産型のコンテンツの規定が書かれている正しいページ。②answer/9890533(指示文1・ヒントなし)はURLが存在せず404。③answer/1311392(指示文1・ヒントなし・別回)は実在し①と同じ正しいページ。④answer/12267041(指示文1・ヒントなし)はURLが存在せず404。⑤answer/1311392(指示文2・ヒントあり)は実在し①③と同じ正しいページ。⑥answer/11160511(指示文2・ヒントあり)はURLが存在せず404。⑦answer/72851(指示文2・ヒントあり)は実在するがYPP参加資格の概要ページで無関係。下の枠には、7件のうち実在してかつ内容も一致していたのは3件(すべて同じURL)で、残り4件は404が3件・実在するが無関係なページが1件だったこと、ヒントは出すかどうかを減らすが出したときの正確さは変えていないことが書かれている。
出した後の正確さは、ヒントがあってもなくても3件に1件ほどでした

ヒントを足した3回の内訳は、404が1件(answer/11160511)、実在するが無関係なページが1件(answer/72851。YPPの参加資格概要ページで、反復コンテンツの規定そのものではありません)、正しいURLが1件でした。ヒントがあっても無くても、出てしまったURLの正確さは3件に1件ほどで変わりません。ヒントが減らしたのは「出す頻度」だけで、「出したときの正確さ」ではありませんでした。

うまくいかないときの言い直し方

3. ヒントの言葉を強める

同じ「確認できません」でも、作り話の実害を具体的に書き添えると変わるかを確かめます。

次のチャンネルは、YouTubeパートナープログラムで収益化できますか。理由も教えてください。判断の根拠にしたページのURLも書いてください。ただし、URLは正確に分かる場合だけ書いてください。存在するかどうか自信が持てないURLを作ることは、読者を存在しないページや無関係なページに案内することになります。自信が持てない場合は、URLの代わりに「URLは確認できません」とだけ書いてください。 (ここにチャンネルの説明を貼る)

S4に2回試すと、2回とも「URLは確認できません」で止まりました。指示文2のS4側は5回中2回URLを出していたので、回数は少ないものの、作り話が読者にどう害を与えるかを書き添えるだけで、止まりやすくなる手がかりになりました。

4. URLではなく、ページ名だけを求める

聞き方そのものを変えます。番号を当てさせず、名前だけを求めます。

次のチャンネルは、YouTubeパートナープログラムで収益化できますか。理由も教えてください。また、判断の根拠にしたYouTubeヘルプのページ名(タイトル)も書いてください。ただし、URLの具体的な番号(answer/の後の数字など)は、正確に覚えていない場合は書かないでください。 (ここにチャンネルの説明を貼る)

S4に2回試すと、2回とも番号は0件でした。「書かないでください」と言われた番号は、2回とも本当に出てきませんでした。

5. URLではなく、検索語を求める

もう1つ、作り話の土台ごと無くす言い方があります。URLそのものを要求せず、読者が自分で確認するための検索語だけを求めます。

次のチャンネルは、YouTubeパートナープログラムで収益化できますか。理由も教えてください。また、私が自分でYouTubeヘルプを検索して確認するための検索語も1つ書いてください。URLは書かないでください。 (ここにチャンネルの説明を貼る)

S4に2回試すと、2回とも「反復性のあるコンテンツ」という検索語を返し、URLは0件でした。「URLは書かないでください」と頼むと、URLという形そのものが出てこなくなります。

6. 名前と条件付きURLを組み合わせる

最後に、名前を求めつつURLも許可し、番号の推測だけを明示的に禁止する言い方を試します。

次のチャンネルは、YouTubeパートナープログラムで収益化できますか。理由も教えてください。判断の根拠にしたYouTubeヘルプのページ名も書いてください。URLについては、正確に分かる場合はそのまま書き、自信が持てない場合は「URLは確認できません」とだけ書いてください。番号を推測して作ることは絶対にしないでください。 (ここにチャンネルの説明を貼る)

S2・S4に2回ずつ、計4回試すと、4回とも番号は0件でした。

出典URLの作り話を止めるための6つの条件で、番号を作らなかった回数を横棒で比べた図。①ヒントなしでそのままURLを聞くと、2回中0回しか作らずに止まらず、2回とも出した。②名前・日付には効いた「自信が持てなければ確認できませんと書いて」をそのままURL請求に使うと、10回中7回は止まったが、3回はまだ番号を作った。③作り話の実害を説明して言い方を強めると、2回中2回とも番号を作らなかった。④URLでなくページ名だけを求めると、2回中2回とも番号を作らなかった。⑤URLでなく検索語だけを求めると、2回中2回とも番号を作らなかった。⑥名前と条件付きURLを組み合わせ、番号の推測を明示的に禁止すると、4回中4回とも番号を作らなかった。下の枠には、①は4件中2件が存在しない404だったこと、②は名前・日付には完全に効いた同じ文言がURLでは7割にしか届かないこと、③④⑤⑥はどれも言い方や聞き方を変えると番号の作り話が0件になったことが書かれている。
言い方を強める・聞き方を変えると、番号の作り話は止まりました

番号の作り話を止めたいなら、「確認できません」をURL請求にそのまま貼るより、URLではなく名前や検索語を求めるほうが確実でした。6条件を試した合計22回のうち、③④⑤⑥の10回は10回とも番号が0件でした。

それでも残る崩れ方

番号の作り話を止めても、別の崩れ方が残ります。指示文4・5・6でページ名または検索語を求めた8回を、現行の正式名称「量産型のコンテンツ」と比べました。

回 挙げた名前 現行名と一致
指示文4 1回目 「参加資格ポリシー」等3件 ❌
指示文4 2回目 「複製されたコンテンツに関するポリシー」 ❌(旧称)
指示文6 S2 1回目 「再利用されたコンテンツに関するポリシー」 ❌(旧称)
指示文6 S2 2回目 「反復性のあるコンテンツ」 ❌(旧称)
指示文6 S4 1回目 「再利用されたコンテンツに関するポリシー」 ❌(旧称)
指示文6 S4 2回目 「使い回しコンテンツ」 ❌(旧称)
指示文5 1回目(検索語) 「反復性のあるコンテンツ」 ❌(旧称)
指示文5 2回目(検索語) 「反復性のあるコンテンツ」 ❌(旧称)

0/8が現行の正式名称でした。前作の指示文3(原文なしで名前を聞く・0/4)と合わせると、0/12です。原文を見せない限り、名前は常に改称前の古い言い回しに寄ります。番号の作り話を止める対策と、名前を正しくする対策は、別物です。

応用・次の一手

出典を確かめたいとき、聞き方を目的ごとに分けます。

  • 自分で開いて確認する時間があるとき——AIに聞かず、前提に書いたYouTubeヘルプの現行ページを直接開いてください
  • AIに聞かざるを得ないとき——「出典URLも書いて」ではなく、「判断の根拠にしたページ名を書いて。URLの番号は、正確に覚えていない場合は書かないで」、または「確認するための検索語を1つ書いて。URLは書かないで」と頼んでください。番号の作り話は、この聞き方に変えた合計10回とも0件でした
  • 名前そのものの正確さまで要るとき——AIに聞かず、原文を貼ってから聞いてください。前作の指示文2・4・6はいずれも、原文を見せると現行名に正しく触れました

副業でAIの判定を人に伝えるときの実務としては、「結論は伝えてよいが、出典の名前とURLは自分で開いて確かめてから伝える」のがいちばん安全です。前作が確かめたとおり、判定そのものは今回も22回中22回正解でした。崩れるのは判定ではなく、その裏付けとして挙げる名前とURLのほうです。

⚠️ この結果は、架空のチャンネル2種・合計22回、この1つのAIでの実測です。別のAIサービスでは違う結果になるかもしれません。YouTubeでの収益の仕組み自体はYouTubeパートナープログラムの門と入金にまとめています。

今回の生の返り22回ぶんは docs/evidence/youtube-citation-ask-the-name-not-the-number.md に全文置いてあります。URLの実際のHTTPステータスの確認結果も、同じファイルにあります。