これで何ができるか

あとで調べたいと思ったURLを、1行足すだけで預けられます。

ニュースを見ていて「これ気になるけど、いま読む時間がない」と思うことがあります。ブックマークに入れても、たいてい二度と開きません。

代わりに、テキストファイルに1行足しておくと、AIが翌朝までに調べて下書きを書いておいてくれる形にします。

待ち行列の流れを示した図。あなたがスマホでURLを1行足す、AIが毎朝きまった時刻に起動する、AIが出典の本文を実際に開いて読む、AIが公開されない場所に下書きを置く、最後にあなたが読む、の5段階。AIが担当するのは真ん中の3つで、人がやるのは最初の1行と最後に読むところだけ。途中で公開されることはない。
人がやるのは、最初の1行と最後に読むところだけ

実際に動かした結果を先に書きます。2件預けて、1件は下書きができ、1件は「書けません」と言って止まりました。

書けたことより、書かずに止まれたことのほうが重要です。2件目は、そのAIモデルの公式情報がまだどこにも公開されていませんでした。まとめ記事の数字を使えば表は埋まりますが、それをやらせなかったので、下書きを作らずに理由だけ書いて終わっています。

前提

かかる時間 30分(最初の1回だけ)
費用 無料(AIの利用料は別)
必要なもの 決まった時刻に自分で動けるAI と、スマホから編集できるファイル置き場
プログラミング 不要

チャット画面だけのAIでは作れません。時間が来たら自分で起き上がって作業する形が要ります。やり方は 「毎日決まった時刻に自動でやっておいて」をAIに作らせる に書きました。

ファイル置き場は、スマホのブラウザから3タップで編集できるものを選んでください。GitHub なら、ファイルを開いて鉛筆アイコンを押して保存するだけです。

AIへの頼み方

1. 待ち行列を、ただのテキストファイルにさせる

最初に釘を刺します。放っておくと立派なものを作られます。

預けたいURLを溜めておく場所を作ってください。 ただのテキストファイルにしてください。専用の画面や、データベースは作らないでください。私がスマホから1行足せることが一番大事です。

「一番大事なこと」を1つだけ伝えるのがコツです。これを言わないと、管理画面つきの仕組みが出てきます。よくできていますが、外出先で1行足すには重すぎます。

2. 終わった行を、消さずに残させる

処理が終わった行は消さないでください。印を付けて残し、何を作ったかをその下に書いてください。

消させないのには理由が2つあります。同じURLを二度預けたときに気づけることと、あとから「なぜこれを調べたか」を辿れることです。

3. 出典を実際に開いて読ませる

ここを言わないと、URLの見出しだけで書き始めます。

預けたURLは、必ず本文を開いて読んでから書いてください。 見出しと短い説明だけで書かないでください。足りない部分を想像で埋めることになります。

見出しだけで長文を書かせると、確実に作り話が混ざります。関連する話は AIに数字を「それっぽく」埋めさせない に書きました。

4. 書けないときは、書かせない

この記事で一番大事な一文です。

元の情報にたどり着けなかったときは、下書きを作らないでください。 代わりに、何が読めなかったのか・次に何をすれば読めるようになるのかを、待ち行列に書いて止まってください。まとめ記事や他のサイトの情報で埋めないでください。
一次情報に届いたかどうかで動きを分ける図。届いた場合は出典を読んで下書きを書き、人が読んでから公開する(例:Claude Opus 5 の比較記事)。届かなかった場合は下書きを作らず、止まった理由を書いて残す(例:Qwen3.8、公式情報が未公開)。二次情報で埋めれば表は完成するが、完成した表のほうが危ないため、そうさせない。
書けたことより、書かずに止まれたことのほうが大事です

自動で動くものは、失敗しても誰も見ていません。だから「できませんでした」と言える形にしておかないと、埋めた結果だけが残ります。

5. 出来上がりを、公開されない場所に置かせる

自動で書かせるなら、ここは必ず入れてください。

出来上がったものは、公開されない場所に置いてください。 私が読んでから公開します。置き場所を間違えても公開されないよう、仕組みのほうで分けてください。

「気をつけて置く」ではなく「置けない形にする」と頼むのがコツです。実際に作ったものでは、ファイル名の先頭に記号が1つ付いているかどうかで、公開されるかどうかが決まります。記号が付いている限り、間違って公開されることはありません。

6. 詰まった理由を、次に読む人に分かる形で残させる

途中で止まったときは、次にこれを読む人が、そのまま作業を再開できるように書いてください。 何が起きたか・何を試したか・次に何をすれば直るか。この3つを入れてください。

これを頼んでおいたら、止まったときに必要な設定を11件、優先度を付けて表にして残してくれました。しかも「この2件を先に足せばよい」まで書いてありました。止まり方の質は、指示で決まります。

うまくいかないときの言い直し方

待ち行列を読んでくれない

作業を始める前に、必ず待ち行列のファイルを開いて中身を読んでください。 読んだ内容を最初に報告してから、作業に入ってください。

読んだことを報告させると、読み飛ばしが減ります。

1回で全部処理しようとする

溜まっていると、まとめて片付けようとします。

1回の実行で処理するのは1件だけにしてください。 残りは次回に回してください。まとめて処理すると、1件あたりが雑になります。

まとめて処理させると、後半になるほど雑になります。件数を絞るほうが結果は良くなります。

出典を読まずに書いている気がする

この下書きを書くとき、実際に開いたURLを全部挙げてください。 そのうえで、それぞれのページから何を引用したかを教えてください。

気づいたら公開されていた

いま公開されているものを一覧にしてください。 そのうえで、私が読む前に公開されない形になっているか確認してください。なっていなければ、どこを直せばよいか教えてください。

一度公開されたものは、消しても記録に残ることがあります。公開の場所を分けるのは、後から足すのではなく最初にやってください。

止まったのに、理由が分からない

「できませんでした」だけでは、私には直せません。 何を試して、どう失敗したのかを書いてください。エラーの文言があれば、そのまま貼ってください。

応用・次の一手

まず1と5だけ作ってください。「ただのテキストファイル」と「公開されない置き場所」の2つがあれば、残りは後から足せます。

慣れてきたら、預ける先を増やせます。調べもの以外にも使えます。

この待ち行列の形を、別の作業にも使いたいです。 いまの仕組みのどこを変えれば、違う種類の依頼を預けられるようになりますか。

最後に、冒頭の2件の続きを。書けなかったほうは、AIが残してくれた「次にこれを足せばよい」に従って設定を1つ変えたら、次は書けるようになる見込みです。止まった場所と理由が残っていれば、詰まりは一度きりで済みます。

止まらせない仕組みより、止まったことがすぐ分かる仕組みのほうが、長く使えます。この考え方は 自動化が静かに壊れたのを、AIに見つけさせる にも書きました。