これで何ができるか

AIの最新情報を自動で集める仕組みを作ると、すぐ壁に当たります。追いかけたいサイトほど、RSS(更新情報の配信)を出していないのです。実際、Anthropicの公式ニュースはRSSがありません。

RSSが無くても、ページの中身から更新を拾わせることはできます。ただし頼み方を間違えると、作った直後は動くのに、相手サイトのデザイン変更で静かに壊れる仕組みが出来上がります。エラーは出ません。ある日から黙って0件になるだけです。

この記事は、その壊れ方を先に知ったうえで、壊れにくい形で頼む言い方を載せます。

RSSが無いサイトの2つの拾い方を比べた図。左(クラス名で拾う)は、scss-module__KxYrHG__date のようなハッシュ付きクラス名を目印にするため、デザイン変更のたびに名前が変わり、ある日静かに0件になる。右(埋め込みデータで拾う)は、publishedOn: 2026-08-04 のような記事そのもののデータを読むため、デザインが変わっても残る。
左が壊れる拾い方、右が壊れにくい拾い方。左のクラス名は実際のサイトで観測したもので、意味不明な文字列(ハッシュ)が入っています。これがデザイン更新のたびに変わります。

前提

かかる時間 30分
費用 無料
必要なもの ファイルを作れるAI(Claude Code など)
あると良いもの 前編の集める仕組み。無くても、頼み方の考え方はそのまま使えます
プログラミング 不要。この記事の指示文をコピーして貼るだけです

AIへの頼み方

1. まず「本当にRSSが無いか」を確かめさせる

思い込みで作り始めないために、最初にこれを頼みます。

このサイトの更新を自動で追いたいです。まず、RSSやAtomフィードが本当に無いかを確かめてください。 ありそうなURL(/rss.xml や /feed など)を推測で書くのではなく、実際にアクセスして、返ってきた結果と一緒に報告してください。全部ダメだったら「無い」と結論してください。 (追いたいサイトのURLを貼る)

「実際にアクセスして」を必ず付けます。これが無いと、もっともらしいフィードのURLを確かめずに設定して、動かない仕組みが完成します。実際にAnthropicのニュースで確かめたときは、候補のURLが2つとも404で、「RSSは無い」が確定してから次へ進みました。

2. 拾い方を指定する — クラス名は禁止

ここがこの記事の本体です。RSSが無いと分かったら、AIはページのHTMLから記事を拾おうとします。そのとき何を目印にするかを、こちらから指定してください

RSSが無いので、ページの中身から記事の題と日付を拾ってください。 ただし、CSSのクラス名を目印にしないでください。このサイトのクラス名には機械が付けた文字列が入っていて、デザイン更新のたびに変わります。クラス名で拾うと、次の更新で静かに0件になります。 代わりに、ページに埋め込まれている記事データ(JSONなど)から拾えないか先に調べてください。題と日付が並んで入っているはずです。

放っておくと、AIはほぼ確実にクラス名で拾います。画面に見えている場所を素直に読むからです。クラス名は「見た目のための借り物の名前」で、記事データは「本体」。本体から拾えば、見た目がどれだけ変わっても生き残ります。

3. 「0件」を成功にさせない

もうひとつ、先に釘を刺しておく場所があります。

1件も拾えなかったときは、空の結果を返して成功したことにせず、エラーとして止めてください。 「取得できたが今日は0件だった」と「拾う仕組みが壊れて0件になった」は、外から見ると同じ0件で区別がつきません。壊れたときに黙られるのが一番困ります。
取得0件の扱い方2通りを時系列で比べた図。どちらもクラス名の変更から始まる。上(空のまま成功扱いにする設計)=取得0件でもエラーが出ず、翌週も0件のまま、数週間気づけない。下(1件も無ければ止める設計)=その場でエラーになり、3回続くと警告扱いになって、翌朝のメールで気づく。
同じ事故でも、上の設計は数週間気づけず、下の設計は翌朝気づけます。差は「0件を成功と数えるかどうか」だけです。

自動化の事故で一番高くつくのは、止まることではなく、止まったのに動いているふりをされることです。壊れた検知の話は自動化が静かに壊れたのを、AIに見つけさせるに詳しく書きました。

4. 罠を「テストとして」残させる

「クラス名で拾うと、デザイン変更で壊れる」という今回の判断を、テストとして残してください。 将来だれかが(未来の私やあなたが)クラス名で拾う方式に書き換えたら、テストが落ちて止まるようにしてください。判断の理由もテストの中にコメントで書いてください。

会話で決めたことは、会話が終わると忘れられます。「またやりそうな失敗」はテストにしておくと、忘れても機械が止めてくれます

うまくいかないときの言い直し方

「クラス名で拾うほうが簡単です」と言われた

そのとおり、簡単です。だから理由ごと断ります。

簡単さより、壊れにくさを優先してください。 このサイトのクラス名に機械が付けた文字列が入っているか、実際のHTMLを見て確かめてください。入っているなら、クラス名方式は次のデザイン更新で壊れます。埋め込みデータが本当に無い場合だけ、クラス名以外の目印(見出しタグの構造など)を提案してください。

ずっと動いていたのに、急に0件になった

昨日まで拾えていたのに0件になりました。原因を切り分けてください。 1. ページ自体は開けていますか(開けていないなら通信の問題です) 2. 開けているなら、ページの中身のどこが変わりましたか。前に拾えていたときの目印は今もありますか 「サイトの更新が無かっただけ」と結論する前に、上の2つを確かめてください。

切り分けの順番まで書くのがコツです。順番を渡さないと、一番ありそうな「更新が無かっただけですね」で会話が終わり、壊れたまま数週間が過ぎます。

拾えたが、日付や題がおかしい

拾った結果がおかしいです。加工した結果ではなく、ページから拾った生のデータをそのまま10件見せてください。 どの項目を題として、どの項目を日付として読んだのかも教えてください。

おかしいときは、要約や加工を挟まず生データを見るのが最短です。似た項目(更新日と公開日、英題と日本語題)を取り違えているのが定番で、生データを見れば一目で分かります。

応用・次の一手

追いたいサイトが増えたら、同じ頼み方を繰り返すだけです。1サイト目で「クラス名禁止・0件はエラー・罠はテストに」を作ってあれば、2サイト目からはAIがその方針を踏襲します。

同じ方針で、次のサイトも追えるようにしてください。RSSの有無の確認から始めて、判断の過程を報告してください。 (追加したいサイトのURLを貼る)

拾えるようになったら、次は「拾ったものをどう受け取るか」です。AIの最新情報を自動で集める仕組みの通知の仕分け(重要なら即メール・それ以外は翌朝1通)にそのまま合流できます。